2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする目標が盛り込まれた改正地球温暖化対策推進法(温対法)が5月26日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。日本で削減目標が法律に明記されるのは初めて。政権交代などによる目標の後退を難しくし、政策の継続性を高めるのが狙い。
改正法では、基本理念として「2050年までの脱炭素社会の実現」を明記。これまでは排出削減の長期目標を「2050年までに2013年度比80%減」と記載していたものの、温対法の条文自体には目標記載がなかった。菅首相が2020年10月、「2050年排出実質ゼロ」を宣言したことを踏まえ、国として新たな目標を達成する姿勢を法律で明確化した。