厚生労働省のまとめによると、全国の労働局などが受けた「いじめ・嫌がらせ」の相談件数8万7,570件に上った。民事トラブルの労働相談に占める割合が8年連続で最多になっている。職場での深刻なパワハラ被害があることが分かる。
企業に防止対策を義務付ける改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)が2020年6月に施行されたが、活用されるケースは稀で、実効性の確保が課題になっている。
厚労省が2020年10月に実施したパワハラ被害の実態調査では、被害者が企業の相談窓口を利用していたケースはわずか5%。さらに勤務先に被害を伝えた人の約半数が、会社は「とくに何もしなかった」と回答している。