「アジア-産業」カテゴリーアーカイブ

デンカ シンガポールでDSPLがMS樹脂生産能力倍増

デンカ(本社:東京都中央区)は7月8日、シンガポール子会社Denka Singapore Private Limited(以下、DSPL)が、セラヤ工場で進めていた高機能透明樹脂(MS樹脂)の増産設備を竣工し、7月1日から稼働を開始したと発表した。これにより同社のMS樹脂の生産能力はこれまでの年間約7万トンから約14万トンへ倍増し、拡大する需要に応えていく。
ポリスチレン製造設備の改造によるMS樹脂生産能力増強の投資金額は約27億円。MS樹脂は液晶テレビやPCモニターのバックライト用導光板等の光学用途に加え、中国を中心としたアジアで成長著しい化粧品用容器等で使用されている。

住友商事と東京ガス 水素実証実験実施で合意

住友商事(本社:東京都千代田区)と東京ガス(本社:東京都港区)は7月7日、ITM Power Plc(本社:英国シェフィールド)が開発したメガワット(MW)級固体高分子型水電解装置を使用し、水素利活用に向けた共同実証実験を東京ガスの横浜テクノステーション内で実施することで合意したと発表した。海外製の大型水電解装置による日本で初めての運転検証となる。
住友商事は水素吐出圧力を調整し、2.0MW級の水電解装置を2022年6月に東京ガス・横浜テクノステーションに納品し、共同実証を開始する。
日本政府は2050年までのカーボンニュートラル化を目標に掲げ、年間42万トンのを超えるクリーン水素の供給を目指している。最エネ由来の電力を用いた水電解装置により製造される水素は、製造過程でCO2を排出しないクリーン水素として、脱炭素社会の切り札とされている。

日立造船 東京ガスよりメタネーション装置受注

日立造船(本社:大阪市住之江区)は7月7日、東京ガス(本社:東京都港区)よりメタネーション装置を受注したと発表した。メタネーション装置の民間企業からの受注は今回が初めて。東京ガスは横浜テクノステーション(所在地:横浜市)内にメタネーション装置を設置し、2021年度内に実証実験を開始する予定。
水素と二酸化炭素からメタンを合成するメタネーション装置は、メタンが天然ガスの主成分であるため、既存のインフラ設備を活用でき、大規模な投資が不要なカーボンニュートラルのソリューションとして注目されている。
メタンの製造能力は高位発熱量換算12.5N㎥/h、納入時期は2022年2月の予定
東京ガスは実証実験によりメタン製造の安定性評価、ならびに装置ガスをガス消費機器に供給する検証を行う。

三菱電機 検査不正?空調15カ国に約1万5,800台納入

三菱電機が検査で不正をしていた可能性のある鉄道車両向け空調機器が米国、英国、ドイツなど約15カ国に計1万5,800台納入されていたことが7月7日分かった。同社は「安全性や性能に問題はない」と説明しているが、国際的にも企業イメージが低下することは避けられない。
対象の空調機器はニューヨークやロンドンの地下鉄のほか、ドイツの鉄道などが採用。同社は顧客との取り決めを考慮し、納入先すべての国名は明らかにできないとしている。

鉄道機構とユーグレナ バイオ燃料で包括連携

国土交通省所管の鉄道建設・運輸施設整備支援機構と、ミドリムシを使った事業を展開するユーグレナ(本社:東京都港区)は7月7日、包括連携を発表した。機構の内航船舶や鉄道建設現場で、ミドリムシから抽出した油脂や使用済み食用油などでつくるバイオディーゼル燃料を使えるかを検討する。
新幹線など鉄道建設で使う重機での利用を考えるほか、旅客船での導入試験を進める。A重油とバイオ燃料の混合油としての利用も検討する。

森永乳業 使用済みプラスチックの再資源化に取組開始

森永乳業(本社:東京都港区)は7月6日、12社の共同出資会社「アールプラスジャパン」へ資本参加し、使用済みプラスチックの再資源化事業に取り組むと発表した。持続可能な社会の実現に向けて、使い捨てプラスチックの課題解決に貢献する。
同社グループは2019年度より開始した中期経営計画でESGを重視した経営を掲げている。その重要取り組み課題の一つ、環境への取り組みとして容器包装リサイクル法対策プラスチック容器包装の重量をグループ全体で2021年までに2013年度比10%削減することを目標に定め、2019年度にはすでに2013年度比15.9%の削減を達成している

災害警戒で太陽光新設を規制 山梨県で条例

山梨県議会で7月6日、太陽光発電施設の新設を規制する条例が全会一致により可決、成立した。県内の土地の8割に相当する「設置規制区域」で、出力10KW以上の施設の新設を原則禁止する。10月から段階的に施行される。
太陽光発電施設を規制する都道府県条例は兵庫、岡山、和歌山の3県が導入している岡山は土砂災害特別区域などでの新設を原則禁止。和歌山と兵庫は一定規模以上の施設について、知事の認定や届け出を必要と規定している。

JR西日本 福山通運と新幹線活用し貨物輸送

JR西日本(本社:大阪市北区)は7月6日、福山通運(本社:広島県福山市)と連携し、新大阪-博多間で山陽新幹線を活用し、荷物を運ぶ”貨客混載”の事業化の検討を始めたと発表した。7月1日から実証実験はスタートしている。
JR西日本は新たな収益源に育てたい考え。福山通運は輸送効率の向上につなげる。九州から中部・北陸への輸送時間はトラックで通常13~15時間かかっているが、新幹線を組み合わせることで6~8時間程度短縮できるという。

住友金属鉱山470億円投じ車載用電池材料増産へ

住友金属鉱山(本社:東京都港区)は7月6日、総額470億円を投じ車載用電池材料の増産体制を整備すると発表した。自動車の電動化進展に伴う車載用二次電池の需要拡大に応える。
別子地区(所在地:愛媛県新居浜市)に新工場(愛媛工場)を建設するほか、播磨事業所(所在地:兵庫県加古郡播磨町)では設備を増強する。設備投資総額は両拠点で470億円(内訳は愛媛工場400億円、播磨事業所70億円)を予定。生産能力は車載電池向け正極材を最終的に2拠点合わせ月間2,000トンを想定。同社は2027年を最終年度とする中期経営計画では月間1万トンまで引き上げることを目指している。