香港行政長官に親中派 中国政府の後押しで
香港政府の次期トップを決める行政長官選挙が3月26日投開票され、前政務官の林鄭月娥氏(59)が当選を決めた。新中国派の支持を固め、民主派が支持した曽俊華氏(65)ら2候補を退けた。
決め手は、民意とは全く別の、習近平指導部の”本命指名”という強引かつ露骨な後押しによるものだ。投開票前からほぼ予想された結果で、一般市民の関心は低かった。こうして選挙結果と民意の「ねじれ」が浮き彫りになった。
世論の支持を得ていないリーダーが選ばれたことは、香港社会の分断や政治不信を広げかねない。香港に高度の自治を認める「一国二制度」への信認も大きく揺らぎ、民主派などは反発を強めており、この余波はくすぶり続け、今後混乱も予想される。