コメ由来のバイオマス「ライスレジン」

バイオマスレジンHD 使い捨てプラスチックに一石
今や地球上のグローバルで深刻な問題となっている「使い捨てプラスチックごみ」対策に、様々な企業が取り組んでいますが、コメからつくったプラスチック製品が登場しました。石油系樹脂の代替として、お米由来のバイオマスプラスチック「ライスレジン」を開発したのが、バイオマスレジンホールディングス(本社所在地:東京都千代田区)です。ライスレジンは精米時に発生する砕米や米菓、醸造などの製造過程で排出される米粉など食用には適さないコメを原料としたバイオマスプラスチックで、日本国内はじめコメ文化のアジアでの事業の親和性が高く、東南アジアで最初の事業展開となるとしています。
バイオマスレジンは、汎用プラスチックとコスト、成形性、強度等がほぼ同等でありながら、燃焼時にダイオキシン等の有害ガスが発生しない熱可塑性バイオマスプラスチックです。資源米、木粉、竹、竹炭などの国産植物原料に安全性の高いプラスチックの「ポリオレフィン」を加えて特殊技術で複合します。ポリ乳酸プラスチック等と違い、生産時に発酵過程を必要とせず、既存の植物系プラスチックが解決できていない耐久性・耐熱性・加工性を石油系プラスチックとほぼ同等で実現しています。
ライスレジンは、三井物産プラスチック(本店:東京都千代田区、三井物産100%出資)およびコバオリ(本社所在地:京都市北区)の3社がプロジェクトを組み展開します。国内外の販売では三井物産プラスチックと業務提携。また、ベトナムでの製造ではコバオリと資本業務提携しています。
ライスレジンの製品は積み木はじめ、レジ袋、ゴミ袋、箸、クリアファイル、そしてコーヒーレジン、ウッドレジン、そばレジン、バンブーレジンなどにバリエーションを広げてています。
現在国内で消費されている年間1,400万トンの石油系プラスチックをすべて「バイオマスレジン」に転換すると、4,400万トンの二酸化炭素(CO2)削減につながり、SDGsの取り組みに向けて活用の広がりが期待されます。