「アジア-社会」カテゴリーアーカイブ

コロナ「第4波」療養者 8道府県で想定超え 医療体制見直し

厚生労働省は5月21日、新型コロナウイルス感染の「第4波」に備えるため、都道府県が4月末に策定した医療体制計画で、想定した最大の療養者数は全国で計約12万8,000だったと発表した。冬の「第3波」を超える人数を設定したが、変異株の流行も加わって、早くも8道府県で実際の療養者数が想定を超え、計画の見直しを迫られていることが分かった。
1日当たりの新規感染者数の想定は全国で最大約1万6,000人だった。多くの都道府県が厚労省の示唆を受け、第3波のピーク時の2倍の新規感染者数を設定していた。

慶応大 パーキンソン薬がALSの進行抑制に効果確認 iPS創薬に光

慶応大学の研究チームはこのほど、iPS細胞を使って発見したパーキンソン病の治療薬がALS(筋萎縮性側索硬化症)の進行抑制に効果があることを治験で確認した。iPS細胞を薬の研究開発に生かす「iPS創薬」で見つけた薬で、実際の患者の治験で効果が確認されたのは世界で初めてとなる。
今回のようにiPS創薬を使えば、開発期間を大幅に短縮できると期待されている。患者のiPS細胞をもとにすれば、神経や筋肉などの細胞を大量につくることができ、病気の状態を再現できる。その細胞で何千種類の化合物の効果を調べれば、薬の候補を早く選ぶことができる。すでに販売されている薬は安全性が確かめられている。動物実験に何年も費やす必要はなくなるのだ。

横浜市立大「中和抗体」コロナ感染1年後も95%以上が保有

横浜市立大学の研究グループは5月20日、新型コロナウイルスに感染して1年経過しても95%以上の人に、感染を防ぐ力を持つ「中和抗体」が残っていたとする分析結果を発表した。
新型コロナに感染して回復した20~70歳代の250人の血液を調べ、分析した。重症度の内訳は重症だった人が19人、中等症49人、軽症・無症状182人。この結果、重症と中等症は100%、軽症・無症状は96%それぞれ従来型コロナに対する中和抗体を保有していた。ただ、変異型ウイルスについては、従来型に比べて中和抗体を持つ人の割合が少ない傾向が見られたとしている。

モデルナ・アストラゼネカ承認へ 新型コロナワクチン3種に

厚生労働省は5月20日、米バイオ企業モデルナ社製と、英製薬大手アストラゼネカ社製の新型コロナウイルスワクチンについて承認することを決めた。厚労省の専門部会が「特例承認」による承認を了承した。これにより国内承認の新型コロナワクチンは、米ファイザー社製を含めて計3種になる。

北京五輪「出席自粛を」米下院議長が呼び掛け 人権侵害非難

米国のペロシ下院議長(民主党)は5月18日、下院の超党派による「トム・ラントス人権委員会」の中国に関する公聴会で証言した。中国政府による新疆ウイグル自治区などでの人権侵害を非難し、2022年の北京冬季五輪を「外交的にボイコットしよう」と訴え、政治指導者の五輪出席自粛を呼びかけた。

日本 4月輸出38%増の7兆1,811億円 11年ぶり高水準

財務省が5月20日発表した貿易統計(速報、通関ベース)によると、4月の輸出は前年同月比38.0%増の7兆1,811億円だった輸出額は4月単月として過去最高で、伸び率はリーマン・ショック後の2010年4月の40.4%以来、11年ぶりの水準となった。コロナ禍で前年同月に落ち込んだ反動があったほか、米国や中国向けの自動車、半導体製造装置が大きく伸びた。2年前の2019年4月との比較では7.8%増となり、コロナ前の水準を上回った。

関西医科大「光免疫療法」研究拠点設置へ 新たながん治療法

関西医科大学(所在地:大阪府枚方市)が2022年4月、新たながん治療法「光免疫療法」の研究拠点「関西科大学附属光免疫医学研究所」を設置することになった。所長にはこの治療法を開発してきた、米国国立衛生研究所の小林久隆主任研究員が就任する予定。
光免疫療法は、光に反応する特殊な薬剤を患者に投与した後、光を当ててがん細胞を破壊する新しいがんの治療法。点滴で患者に薬剤を投与し、薬剤の成分ががんに取りついたタイミングで、レーザーを当てると薬の成分が活性化し、がん細胞が破壊される仕組み。

田村正和さん 心不全で死去 77歳 俳優「古畑任三郎」など

テレビドラマ「古畑任三郎」シリーズなどで知られた俳優、田村正和(たむら・まさかず)さんが4月3日、心不全のため死去していたことが分かった。77歳。葬儀は親族で営んだ。喪主は妻和枝(かずえ)さん。
京都府出身。俳優の坂東妻三郎さんの三男として生まれる。1961年、高校在学中に木下恵介監督の映画「永遠の人」で本格デビュー。その後、テレビドラマに多数出演。時代劇「眠狂四郎」、「鳴門秘帖」などでニヒルな二枚目のイメージが定着。80年代はコミカルな父親役から二枚目まで幅広く演じて、お茶の間に親しまれた。
94年に放送された三谷幸喜さんの脚本の刑事ドラマ「警部補・古畑任三郎」では、独特の口調で犯人を推理する個性的な刑事役を演じて人気を博し、同作はシリーズ化された。いずれも俳優の兄高広さん、弟亮さんとともに「田村3兄弟」と呼ばれた。