「アジア-社会」カテゴリーアーカイブ

専門家がまとめた提言「五輪開催に警告」政府が提出に難色

東京オリンピック・パラリンピックの開催について、政府の有識者会議「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の感染症の専門家らが「リスク評価」の提言を作成したものの、状況を見守りたい政府側の了承が得られず提出できないという。人の流れの抑制のため無観客開催を求めたり、東京都内の医療のひっ迫がさらに深刻化したりするリスクを指摘する内容だからだ。
提言の内容は、関係者などによると①感染力が高いインド由来の変異株の国内流入による感染拡大が起こるリスク②スポンサーや海外メディアなど大会関係者が入国後に行動制限などのルールを守らないリスクがある③五輪は他のスポーツイベントと比べ規模が別格で、競技場外で人流が増えて感染が広まる懸念もある-などと指摘している。

中国 空港・機内の使い捨てプラスチック排除へ5カ年計画

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、中国民用航空局はこのほど、「民間航空分野プラスチック管理作業計画」(2021~2025年)を発表した。この作業計画によると、2022年以降、年間200万人以上が利用する空港はターミナルや駐車場の敷地内で非分解性の使い捨てプラスチックを提供しないこととし、国内線の機内でも使い捨てプラスチックのストロー、食器、コップ、包装用の袋を提供しないとしている。
2023年以降は、実施対象を全国の空港および国際線にも拡大する。これにより使い捨てプラスチック製品の消費を大幅に減らし、代替製品の利用水準を大きく引き上げるとしている。

中国3人目の子容認 少子高齢化加速で規制緩和 出産数急減で

中国共産党は5月31日、出生数の急速な低下や高齢化の進展が明確になったことを受け、出産について原則2人までだった従来の規制を緩和し、3人目の出産を認める方針を決めた。国営新華社が報じた。今回の少子高齢化に関する会議は、習近平党総書記(国家主席)が主宰した。
中国の出産数は、2016年に30年以上続いた「一人っ子政策」を撤廃し、2人までの出産を認めたことで一時的に増加したが、翌年以降は減少。2016年の約1,800万人から、2020年は約1,200万人と急減している。

中国広東省で新型コロナインド変異株を確認 PCR検査拡大 

中国国営通信、新華社などによると、中国広東省広州市当局は5月30日、21~30日に新型コロナウイルス感染発症者5人、無症状感染者21人が確認されたと発表した。分析が済んだ検体はすべてインド変異株だった。
感染拡大を防止するため、同当局は直ちにPCR検査の陰性証明がなければ鉄道、バス、車、飛行機で市外へ出られないなどとする通知も発表した。5月31日から実施する。
広州市はすでに警戒地域の住民200万人以上のPCR検査を終えたが、感染スピードが速く、感染力も強い」とみて、5月30日から市中中心部も含め検査対象を広げている。

64歳以下のワクチン接種 基礎疾患ある人とない人同時並行で

日本政府は5月30日、64歳以下を対象とする新型コロナウイルスワクチンの一般接種で、基礎疾患ある人と疾患のない人の接種を同時並行で進める方針を固めた。疾患の有無は自己申告となり実際の対象者数が不明で、疾患のある人の接種完了を待つと空白期間が生じる可能性があるため。五輪開催を控え、同時並行で接種事業を加速化させる。
田村厚生労働相が明らかにしたもので、モデルナ製ワクチンを使った職場単位の接種について、高齢者接種に影響がないので始めてもらっていいと述べ、早期開始を企業に促した。

国交省 25年度までに全国約4,000km区間で無電柱化を計画

国土交通省は、電線を地中に埋めて電柱をなくす無電柱化の取り組みを進めるため、2025年度までの5年間で全国でおよそ4,000kmの区間の電柱をなくす新たな計画をまとめた。重点的に進める区間は、災害時に物資輸送に使う市街地の緊急輸送道路や避難所にアクセスする道路や、世界文化遺産周辺地区や著名な観光地の道路など。
また、毎年およそ7万本の電柱が新たに設置されていることから、電力会社などに設置が必要な理由などを聞き取る実態調査を行い、電柱を減らす対応策を検討するとしている。

インドで医師1,200人が新型コロナ感染死亡 1日50人の日も

インド医師会によると、医師約1,200人が新型コロナウイルスに感染して死亡したことが分かった。5月16日だけで医師50人が死亡しており、早期のワクチン接種など対応を求める声が強まっている。
同国では5月中旬までに医師の6割以上がワクチンを接種したが、死亡した医師らはほとんど接種していなかったという。

緊急事態延長で消費・雇用に深刻な影響 下押し3.1兆円,失業増加

緊急事態宣言の延長に伴い経済、雇用に深刻な影響を及ぼしそうだ。野村総合研究所の試算によると、5月28日、緊急事態宣言の6月20日までの延長が決まったことで、4月下旬の3度目の宣言が発令されて以降の個人消費の累計下押しは計3兆1,790億円に膨らむ見込みだ。うち今回の9都道府県の緊急事態宣言の20日間延長で個人消費が1兆2,420億円、下押しされると試算している。
2021年1~3月期の日本経済は3四半期ぶりにマイナス成長に沈んでいる。経済の低迷は雇用にも大きな影響を及ぼす。第一生命経済研究所によると、4月下旬~5月末の1カ月分だけで失業者が5万7,000人、宣言延長でさらに3万2,000人それぞれ増加する可能性があると指摘している。雇用環境の悪化は経済の悪化に遅れて表面化していく。それだけに雇用調整助成金の特例措置延長をはじめ、早めに雇用悪化対策を講じる必要がある。
様々な批判を浴びながらも経済への影響をできるだけ小さくしたいと講じられてきた対策。ワクチン接種が遅れる日本は、頼みの経済がコロナ前の水準に届かないまま、緊急事態宣言の延長で長期低迷に向かうリスクに迫られている。

20年度の残業代 前年度比13.3%減 コロナ禍 休業・時短で

厚生労働省が5月28日発表した毎月勤労統計調査(確報値、従業員5人以上の事業所)によると、2020年度の残業代にあたる月額所定外給与は、1人当たり前年度比13.3%減の1万7,028円だった。比較可能な2013年度以降で最大の減少幅となった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言で、飲食業などを中心に休業や営業時間の短縮を余儀なくされたことが影響した。