バリ島アグン山が再び複数の噴火 噴煙4000㍍
インドネシア国家防災庁は11月26日、日本人客も多い観光地バリ島で、先に噴火したアグン山が25日から26日にかけ、さらに複数の噴火を起こしたと発表した。
26日早朝の噴火で山頂から3000~4000㍍の高さまで噴煙が立ち昇り、当局は航空各社に注意を呼びかけた。今後さらに噴火が激しくなれば、邦人観光客への影響も懸念される。
ただ、現時点ではバリ島南部にある国際空港は影響を受けていない。時事通信が報じた。
日本企業の海外事業の中期有望国は中国・インド
国際協力銀行(JBIC)が行った日本製造業企業の海外事業展開の動向に関するアンケート調査によると、中期的に有望進出先として中国・インドが高い評価を受けていることが分かった。また、海外事業展開に対する姿勢には一服感が見られることも明らかになった。
海外生産比率、海外売上高比率は昨年度からやや低下し、それぞれ35.0%、38.5%となった。事業展開見通しについては、海外事業の強化・拡大姿勢は72.1%で、2011年度の87.2%をピークに漸減傾向が続いている。国内事業については強化・拡大姿勢が37.7%まで拡大し、2008年度以来の高水準となった。
海外事業の中期有望先で中国が5年ぶりに第1位に復帰、得票率は前年度比3.7㌽増の45.7%となった。前回第1位のインドは今回第2位に後、退したものの、得票率は引き続き40%超と高水準を維持。ベトナム(第3位)、タイ(第4位)が順位を上げ、インドネシアは前回の第3位から、今回は5位に後退した。
このほか、製造業によるサービスソリューション提供の競合激化、ビッグデータ・IoTを活用した価値提供の事業に展望はあるが、専門人材の確保、育成が課題として挙げられている。
今回の調査は7月に調査票を送付し、7~9月に回収したもの。対象企業数は1001社、有効回答数602社、有効回答率60.1%。調査は今回で29回目。
日商 外国人材活用で提言 受け入れ拡大へ認定要件緩和を
日本商工会議所はこのほど、外国人材受け入れ拡大を進めるための提言を発表した。これは政府に建設業や製造業の幅広い現場で働くことができるようにする規制緩和などを求めたもので、中小企業を中心に人手不足が深刻化する中、外国人材の活用拡大が不可欠として、技術者の認定要件の緩和などの制度改革が欠かせないとしている。
今回の提言は、受け入れる外国人材について、「専門的・技術的分野に限定する」という原則ではなく、開かれた受け入れ体制が必要とし、「様々な職種で就業できるように議論を進めるべきだ」としている。このため、課題を整理するなどの検討機関の早急な設置を提案している。
具体的な改革の方向として、技術分野の在留資格の規定を、様々な産業に対応できるように再定義することや、「大学卒業以上」や「10年以上の実務経験」といった資格要件の緩和も求めている。
南シナ海「懸念」表現消え、中国の既成事実化の懸念
ASEAN(東南アジア諸国連合)は11月16日、フィリピン・マニラで13日開いた首脳会議の議長声明を発表した。この中で、今後のアジア情勢に影響を及ぼしそうな変化があった。海洋進出を掲げる中国が領有権を主張して軍事拠点化を進める南シナ海問題をめぐり、2014年5月の首脳会議後の議長声明以降、これまで首脳会議の声明に、表現を変えながらも残されてきた中国の一方的な行動に対する「懸念」の文言が消えたのだ。
ASEAN諸国の多くに、中国との対立を避ける姿勢が色濃くあるためだ。これにより、中国による実効支配が既成事実化し、中国の思惑通りに領有化が進む懸念が一段と強まった。
今回首脳会議の議長声明が、中国に対する配慮が強いものになったのは、インフラを中心とする中国の経済協力・支援を受けていることと、米国のトランプ大統領の発言を受けたものとみられる。というのはトランプ大統領が、貿易問題や北朝鮮問題における中国の協力を取り付ける方を優先した結果、南シナ海における中国の姿勢を批判しながらも、ASEAN側に軸足を置くことはせず、南シナ海問題の「仲介役になる」と発言し、深入りを避ける姿勢を示したからだ。
10月の訪日外客数21.5%増の259万5,000人 過去最高記録
日本政府観光局(JNTO)の推計によると、2017年10月の訪日外客数は前年同月比21.5%増の259万5,000人だった。前年同月の213万6,000人を46万人近く上回り、10月として過去最高となった。
一般航空路線の拡充や訪日クルーズの増加、秋の訪日需要喚起のため各市場で実施した訪日旅行プロモーションも奏功、訪日意欲を喚起した。
市場別では査証要件緩和の効果が続くロシアが単月として過去最高を記録したほか、カナダ、ドイツを除く17市場が10月として過去最高を記録した。さらに1月からの累計で香港(185万1,000人)、インドネシア(27万1,000人)、ベトナム(26万4,000人)の各市場が10月までに前年の年計を超え、過去最高を更新した。
訪日外国人のレンタカー事故急増 事故率は日本人の4倍
東京海上日動火災保険によると、訪日外国人によるレンタカー事故が急増している。貸し出し1件当たりの事故率は日本人のおよそ4倍。スピードの出しすぎで、事故の規模も大きくなる傾向があるという。大都市圏だけでなく、交通アクセスにあまり恵まれていない地方都市や、あまり知られていないエリアへの、レンタカーでの観光巡りを推奨する観光地が多い中、今後どのようにレンタカー事故を防ぐかが急務となってきた。
国土交通省によると、訪日外国人のレンタカー利用はこの5年余り、年率3~4割のスピードで伸びている。これに比例して事故も増えており、2016年の死傷事故は81件と2年前の約3倍に上っている。車体のへこみなど物損まで含めると、その数は実に2万件を超えるとみられる。
影響が最も顕著に表れているのが沖縄県だ。沖縄はもともとアジアからの旅行客が多いうえ、鉄道などの公共交通機関が未発達で、空港からの移動をレンタカーに頼る傾向が強い。沖縄県レンタカー協会の統計では、2016年は20万6000人の外国人旅行者が利用し、9600件の事故が起きている。事故率は4.7%にも達している。
全国の高速道路が定額(2万円で最大7日間、3万4000円で最大14日間)で乗り放題になる訪日外国人向けのパスを10月から販売し、地方への周遊を後押ししている。レンタカーでの周遊を促すサービスを拡大する中で、どう事故を防ぎ、当事者の身を守るのかも併せて考えなければ、心の籠ったサービスとはいえない。