京大病院が治験 パーキンソン病 iPS細胞で症状改善

京都大病院は4月16日、人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)からつくった神経細胞をパーキンソン病の50〜69歳の患者男女7人の脳に移植した治験結果を発表した。このうち6人で治療効果を調べたところ、4人で症状の改善がみられ、介助が要らなくなった人もいた。この結果を踏まえ、今回の治験に協力した住友ファーマなどは、年度内にも国に細胞製品の製造販売について承認申請する見通しだ。
パーキンソン病は、脳内で運動の調節に関わる物質ドーパミンをつくる神経細胞が減少して発症する難病。手の震えや歩行困難になったりする。根本的な治療法はなく、ドーパミンの分泌を促す薬で症状は抑えられるが、進行を止めるのは難しいとされる。国内患者数は推計29万人、世界では1,000万人を超える。50歳以上で発症することが多い。