吉野家HD ラーメン事業強化 中期計画で売上高5倍目標

吉野家ホールディングス(HD)は5月19日、ラーメン事業強化を軸とする中期経営計画を発表した。2030年2月期までにラーメン事業の売上高を現在の5倍の400億円に拡大する。牛丼、うどん(「はなまる」)に次ぐ第3の柱として育成、強化し、”牛丼頼み”の事業構造からの脱却を急ぐ。ラーメンは牛丼より単価を高めに設定できる利点がある。
海外で日本食としてまず挙げられるのがすしで、次がラーメンだとし、「2034年度には提供食数を世界一にする」(小沢典裕常務)と強調している。今後5年でM&A(企業の合併・買収)に充てる400億円の多くをラーメン事業に振り分ける。すでに主力地域として店舗展開している東南アジアに加え、今後はイスラム圏への本格出店を見据え、イスラム教の戒律に沿ったハラル対応のメニュー開発も進める。
中期経営計画では、2030年2月期の連結売上高を2025年2月期比で46%増の3,000億円、営業利益は約2倍の150億円に伸ばす。このうちラーメン事業の売上高は、全体の13%に高める。店舗数は4倍の500店を目指す。