「アジア-産業」カテゴリーアーカイブ

川崎重工 台湾の鴻海科技Gと看護師補助ロボを共同開発

川崎重工は7月4日、電子機器受託製造で世界最大手の台湾企業、鴻海科技グループ(フォックスコン)と提携し、看護師補助ロボット「Nurabot(ヌーラボット)」を共同開発したと発表した。2026年の市場投入を目指し、2025年4月より台湾の国立病院、台中栄民総医院(所在地:台中市)で実証実験を実施中。
ヌーラボットは、川崎重工が開発した自律走行型ソーシャルロボット「Nyokkey」をベースに、看護師の業務補助を目的に、特別に設計したロボット。物を掴むことができる2本の腕、荷室、自走機能を有しており、主に採血した検体の輸送、薬剤の輸送、入院時の施設案内、患者向けの衛生教育などの業務を看護師に代わり担う。

25年1〜6月ラーメン店倒産25件 いぜん過去2番目の高水準

東京商工リサーチのまとめによると、2025年上半期(1〜6月)のラーメン店倒産は25件で、集計開始以降、最多だった前年同期の33件から24.2%減少した。3年ぶりに減少に転じたが、件数は過去2番目の高水準にある。
負債総額は前年同期比23.8%増の16億5,700万円で、3年連続で増加した。前年同期と比較すると、負債額1億円以上の倒産が5件(前年同期3件)発生し、これまでの小規模・零細規模から、やや大口化の兆しがみられる。

国循 3Dプリンターで作る心臓模型が保険適用 心疾患に朗報

国立循環器病研究センター(国循、所在地:大阪府吹田市)は7月2日、生まれつき心臓の構造が正常と異なる先天性心疾患の手術に際して、3Dプリンターで作る心臓模型の使用が保険適用されたと発表した。この心臓模型は国循とクロスメディカル(所在地:京都市)が共同開発。2023年に医療機器として承認されている。
先天性心疾患はおよそ100人に1人の割合で発症するとされる。心臓の構造が複雑なうえ、症状も様々で個人差が大きく、一般には手術の難易度が高い。そこでこの模型を使った事前のシミュレーションによって、手術の精度や安全性の向上が期待され、当該患者には朗報だ。

トライアルHD 西友の買収完了 デジタル技術で首都圏攻勢へ

九州地方を地盤としてディスカウント店を展開するトライアルホールディングス(HD)(本社:福岡市)は7月2日、大手スーパー、西友(本社:東京都武蔵野市)の買収を完了したと発表した。米投資ファンドKKRと米ウォルマートから、西友の全株式を取得し完全子会社化した。この結果、買収後の連結売上高は、単純合算で約1兆2,000億円規模となり、コンビニ大手のローソンや、スーパー大手のライフコーポレーションを上回る。
トライアルは、デジタル技術を生かした効率的な店舗運営を強みとし、全国に5月末時点で348店舗を展開している。ただ、現時点では東京都内に店舗は保有していない。今後は強みとするデジタル技術を導入し、西友の事業を立て直し、首都圏への出店を強化していく。

静岡ガス 高級魚「クエタマ」陸上養殖事業に参入 年6,000匹

静岡ガス(本社:静岡市駿河区)は7月1日、高級魚「クエタマ」の養殖事業に参入すると発表した。クエタマは、いずれも高級魚として知られるクエとタマカイの交雑種。静岡市内に養殖施設を設け、年間約6,000匹を生産する。2026年秋から地元も飲食店などに出荷する予定。
陸上養殖装置開発のARK(アーク、所在地:神奈川県平塚市)が提供する養殖システムを採用。2024年11月から試験的に100匹を養殖し、順調に生育していることから事業化する。

くら寿司 中国本土全3店舗年内に閉店 出店計画再検討

回転すし大手のくら寿司(本社:大阪府堺市)は7月2日、中国本土の全3店舗を年内に閉店することを明らかにした。2023年6月に出店した中国本土1号店、上海市の「上海龍之夢中山公園店」は2025年6月30日に閉店。残りの2店舗も年内で閉店を見込む。ただ、現地法人は存続し、出店計画を再検討する方針を示した。
中国本土では同業のフード&ライフカンパニーズの「スシロー」やゼンショーホールディングスの「はま寿司」が先行しており、本土進出で後発のくら寿司は、知名度不足から集客に苦戦していた。

「NTT」に正式社名変更 7/1 日本電信電話から40年ぶり

NTTは7月1日、正式社名を日本電信電話から、通称として広く使われている「NTT」に変更した。1985年の日本電信電話公社(電電公社)の民営化によりNTTが発足して以降、40年ぶりの社名変更となった。
これにより、グループ会社の正式名称も、東日本電信電話を「NTT東日本」に、西日本電信電話を「NTT西日本」に変更した。

JR東日本 人気の寝台特急「カシオペア」26年の歴史に幕

車両の老朽化で引退するJR東日本の寝台特急「カシオペア」の最後の列車が6月30日夕方、東京・上野駅に到着し、26年の歴史に幕を閉じた。
カシオペアは上野と北海道・札幌を結ぶ客車が、オール2階建ての豪華列車として1999年にデビュー。その後、北海道新幹線の開業に伴って2016年に定期運行を終了した。だが、根強い人気があり、ツアー専用の臨時列車として不定期で運行されてきた。

ヤンマーHD 陸上養殖でアクアステージと資本業務提携

ヤンマーホールディングス(HD)(本社:大阪市北区)は6月26日、独自の水質浄化技術を活用し、完全閉鎖循環式の陸上養殖事業を進めるアクアステージ(本社:滋賀県草津市)と資本業務提携したと発表した。この陸上養殖事業の展開を通じて、地域産品のブランド化や安心安全な水産物の価値向上を目指す。
アクアステージは、世界初となるシロサケの陸上養殖はじめ、トラフグ、ビワマス、エビ、ヒラメなどを滋賀県など内陸地で養殖生産している企業。

H2Aロケット最終号機打ち上げ成功 ”いぶきGW”軌道に投入

H2Aロケットの最終号機となる50号機は6月29日未明、鹿児島県種子島宇宙センターから打ち上げられ、搭載している温室効果ガスなどを観測する人工衛星「いぶきGW」を予定の軌道に投入して、打ち上げは成功した。
H2Aロケットは20年以上にわた日本の主力ロケットとして、数々の人工衛星を宇宙に運んできたが、打ち上げ費用の高さなどから50号機で運用を終え、後継機のH3ロケットに完全に移行することになっている。
H2Aロケットは、今回を含め50回の打ち上げのうち、失敗したのは2003年の6号機の1回のみで、打ち上げの成功率は最終的に98%と世界的に高い水準に達した。