「アジア-社会」カテゴリーアーカイブ

H2Aロケット最終号機打ち上げ成功 ”いぶきGW”軌道に投入

H2Aロケットの最終号機となる50号機は6月29日未明、鹿児島県種子島宇宙センターから打ち上げられ、搭載している温室効果ガスなどを観測する人工衛星「いぶきGW」を予定の軌道に投入して、打ち上げは成功した。
H2Aロケットは20年以上にわた日本の主力ロケットとして、数々の人工衛星を宇宙に運んできたが、打ち上げ費用の高さなどから50号機で運用を終え、後継機のH3ロケットに完全に移行することになっている。
H2Aロケットは、今回を含め50回の打ち上げのうち、失敗したのは2003年の6号機の1回のみで、打ち上げの成功率は最終的に98%と世界的に高い水準に達した。

観光庁 宿泊予約「アゴダ」に業務改善命令 トラブル頻発で

観光庁がオンライン宿泊予約サイト「Agoda(アゴダ)」を運営する日本法人に対し、旅行者との間で予約した部屋が確保されていないなどのトラブルが頻発し、3月に業務改善命令を要請していたことが6月23日、分かった。
これを受け、アゴダは4月に観光庁に対策を示したが、6月以降もトラブルはなくなっていないという。このまま抜本的な改善がみられなければ行政処分に発展する可能性もある。
トラブルは宿泊料を支払って予約したインバウンド(訪日客)などがホテル、旅館に着いて初めて部屋が確保されていないことに気付くケースが多い。このほか、予約日や部屋のタイプなどの宿泊情報がホテルが販売したものと異なるケースが判明している。

低コストで患者本人のiPS細胞製造施設 大阪・北区で開所

京都大学iPS細胞研究財団の山中伸弥理事長(京都大学教授)は6月20日、大阪市北区の医療拠点に、低コストで患者本人の血液からiPS細胞を製造する新たな施設を開所したと発表した。
これは同財団が運営する「Yanai my iPS製作所」で、広さはおよそ1,400㎡、iPS細胞を培養する装置が14台あるほか、培養した細胞を保管するスペースなどもある。同財団では、同施設で製造された患者本人のiPS細胞を使用した臨床試験が、2028年度までに医療機関で開始できるように事業を進めたいとしている。
財団によると、患者本人のiPS細胞からつくった組織などを移植することで、拒絶反応のリスクの低減が期待されるが、1度の製造コストがおよそ5,000万円と高額になることが課題だった。そのため、この施設では工程を自動化することなどで、製造コストをおよそ1,000万円程度に抑えることを目標に掲げている。製造期間も半年から3週間程度に短縮することを目標にしている。

農水省 コメ「作況指数」廃止 AI活用し精度高める

農林水産相は6月16日、毎年のコメの作柄を示す「作況指数」を廃止すると発表した。これは、生産現場の農家の実感と異なり、作況指数を下回る収穫量の不足が、価格高騰につながっているのではないかとの声が挙がり、国の統計の信頼性を問う声があるため。農水省はコメの収穫量に関する調査は継続するが、人工衛星やAI(人工知能)を活用したうえで、精度を高めていくとしている。

USSの米政府保有「黄金株」永続的 日鉄の経営の”足かせ”に

米国のラトニック商務長官は6月14日、トランプ米大統領が承認した日本製鐵による米鉄鋼大手USスチールの買収を巡り、米政府が保有する”永続的”な「黄金株」による拒否権の内容を明らかにした。Xに投稿した。
黄金株による拒否権の対象は①USスチールの社名変更②USスチール本社ペンシルベニア州ピッツバーグからの移転③米国外への本社機能移転④140億ドルの設備投資の削減、撤回、延期⑤生産や雇用の米国外への移転⑥設備改修など通常の一時停止を除く工場の閉鎖や休止⑦従業員の給与、不当廉売、米国外での原料調達、買収ーーなど。トランプ政権の同意なく、上記の行為を禁じており、日本製鉄の経営の”足かせ”、重荷となる可能性がある。

ディズニーなど AI企業を提訴 有名キャラクター無断使用で

米国の大手エンターテインメント企業、ウォルト・ディズニーとNBCユニバーサルは6月11日、AI企業ミッドジャーニーのサービスが著作権を侵害しているとして提訴した。ロサンゼルスの連邦地裁に提出された訴状では、ミッドジャーニーの生成AIによる画像作成サービスが、『スター・ウォーズ』のダース・ベイダーや、『怪盗グルー』シリーズのミニオンなどの有名キャラクターを無断で使用したとしている。
ニューヨーク・タイムズによると、生成AI が作成した画像を巡ってハリウッドの大手企業が訴訟を起こすのは初めてという。

USスチール「日鉄は部分所有」トランプ氏発言 予断許さず

米国のトランプ大統領は5月25日、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画について、「これは投資であり、(日鉄の)部分的な所有となるが、米国が支配することになる」と述べ、23日に両社の「計画的なパートナーシップ(提携)」を承認する意向を表明したのに一転、最大の焦点である完全子会社化には依然として難色を示した。まさに、トランプ氏の”日替わりの”発言に翻弄されている。
日鉄による完全子会社化は、この計画の絶対条件と位置付けられているだけに、米政府の正式発表まで、予断を許さない状況が続いている。

トランプ政権 海外制作映画に100%関税 制作コスト増も 

米国のトランプ政権は映画産業にも関税措置に動き出した。トランプ氏は5月4日、自身のSNSに「海外で制作された映画に100%の関税を課す」と投稿した。「ハリウッドをはじめ米国の多くの地域が壊滅的な打撃を受け、国家安全保障上の脅威だ」とし、商務省と通商代表部(USTR)に手続きを直ちに始めるよう命じたという。
ただ、ハリウッド映画の多くは海外で撮影されており、制作コストの大幅な上昇や市場の縮小につながる可能性がある。今回の措置、結局は国内の映画産業を保護するつもりが、反対に苦境に貶めることに繋がる恐れがある。

次世代EV 中国が攻勢 上海国際モーターショー開幕

世界最大級の自動車展示会「上海国際モーターショー」が4月23日、中国・上海市で開幕した。今回のショーは世界26カ国・地域から部品メーカーを含めて約1,000社が参加している。5月2日まで。
会場で圧倒的に目立つのが中国勢。吉利汽車、BYD、上海蔚来汽車などが、自動運転技術やAI(人工知能)を搭載した次世代車を次々に披露している。電気自動車(EV)化で大きく出遅れたトヨタ自動車、マツダなど日系各社も新型モデルを公開、巻き返しを図る。

首都圏24年度新築マンション8,135万円 4年連続最高更新

不動産経済研究所のまとめによると、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)で2024年度に発売された新築マンションの平均価格は、前年度比570万円(7.5%)高の1戸あたり8,135万円となり、4年連続過去最高を更新した。
地域別でも軒並み価格は上がっており、東京23区は前年度比11.2%高の1億1,632万円、23区以外の地域は13.2%高の6,067万円、神奈川県は7.2%高の6,587万円、埼玉県は20.5%高の5,893万円、千葉県は10.6%高の5,604万円だった。
建設にかかる資材費、人件費に加え、土地価格の上昇が発売価格に転嫁されているほか、3月に都心部に1億円台後半から2億円台の高額物件が多く供給されたことが平均価格を押し上げた。
ただ、発売個数は前年度比17%減少し2万2,239戸にとどまり、1973年度の調査開始以来、最も少なくなった。