「アジア-産業」カテゴリーアーカイブ

VW 24年世界販売台数 前年比2.3%減の902万台余に

ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は1月14日、グループ全体の2024年の世界販売台数が前年を2.3%下回る902万7,400台だったと発表した。同社と世界一を競うトヨタ自動車は、2024年11月までのグループ全体の販売台数で985万台余りとなっている。このことからトヨタ自動車は5年連続で世界トップとなる見込みとなった。
VWの2024年の市場別動向をみると、主力の欧州市場ではほぼ前年並みを維持したが、販売の3割以上を占める中国市場で苦戦。中国メーカーとの競争の激化に伴い、前年比9.5%減少したことが響いた。

カナデビア CO2から直接LPGの合成に成功 來春から実証実験

カナデビア(本社:大阪市港区、旧日立造船)と産総研グループ(国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)およびAIST Solution)は1月14日、新たに開発した専用触媒および合成プロセス・装置を用いて、二酸化炭素(CO2)から直接、液化石油ガス(LPG)を1MPa以下の低圧条件で合成することに成功したと発表した。
今回の成果を基にスケールアップに向けた検討を行い、2026年春には年産3〜4トン規模の実証実験を開始し、約1年間実施する計画。

エーザイの認知症薬 米国FDAが申請受理 自宅投与が可能に

エーザイ(本社:東京都文京区)は1月14日、米バイオジェンと共同開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ(製品名レケンビ)」の皮下注射製剤の承認申請について、米食品医薬品局(FDA)が受理したと発表した。8月31日までに審査を完了する。承認されれば、米国では自宅での薬剤投与が可能となる。皮下注射製剤は週1回専用のペン型注射器で投与し、平均15秒で投与できる。通院や看護の負担を軽減できる。
レカネマブは米国、日本、中国、韓国など10カ国・地域で承認を取得。欧州(EU)など17カ国・地域で承認申請している。

24年中国新車販売4.5%増の3,143万台 25年は新エネ車5割弱に

中国汽車工業協会のまとめによると、2024年の中国新車販売台数(輸出を含む)は、前年比4.5%増の3,143万6,000台だった。前年実績を上回るのは4年連続で、過去最高を記録した。2025年は4.7%増の3,290万台を見込んでいる。
2024年はEV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)など新エネルギー車の販売台数が35.5%増と引き続き好調で、2025年は新エネ車の占める比率が5割に迫ると予測している。

米CNBC 米鉄鋼メーカー2社が連携しUSスチール買収の動き

米CNBCは1月13日、米国の大手鉄鋼メーカー、クリーブランド・クリフスがUSスチール傘下の電炉メーカー、ニュース・コアと連携して買収する可能性があると報じた。買収額は日本製鐵が1株あたり55ドルを提案していたのに対し、クリフスの提案は1株あたり30ドル台後半になる見通しだと伝えている。クリフスは当初、USスチールの買収を計画していたが、最終的に日本製鐵に競り負けていた。
日本製鐵とUSスチールは、バイデン大統領などを相手取り、禁止命令をむこうとする訴えを起こしており、日本製鐵は買収の実現を目指す方針を重ねて示している。

24年の焼肉店倒産45件と過去最多 前年比66.6%増

東京商工リサーチのまとめによると、2024年の焼肉店の倒産が前年比66.6%増で、過去最多の45件に上ったことが分かった。これまでの最多は食中毒問題が広がった2012年の35件だった。また、集計を開始した2009年以降で最多を記録し、初めて40件を超えた。
光熱費の上昇、輸入牛肉の価格高騰、諸物価高による仕入れコストの上昇、大手チェーン店との競争が焼肉小規模店の経営を直撃しており、当面苦境が続きそうだ。コロナ禍では”密”を回避する意味で”ひとり焼肉”が人気となり、2020年の倒産は14件に減少。焼肉店はコロナ禍の中、数少ない”勝ち組”といわれた。

12月百貨店売上高 大阪の旗艦店は全社プラス 冬物衣料好調

在阪百貨店各社の12月の旗艦店の売上高は、全社が前年同月を上回った。大丸心斎橋店は前年同月比15.2%増、阪急うめだ本店は同13.4%増となり、12月として過去最高を更新した。同じグループの阪神梅田本店は同9.3%増加した。このほか、高島屋大阪店は同5.8%、あべのハルカス近鉄本店は0.1%それぞれ増加した。
これは、12月に入り一段と冷え込み、コートやダウンジャケットなどの冬物衣料の販売が伸びたほか、クリスマス商戦線でアクセサリーや香水食品などの売れ行きが好調だったため。各社では新年を迎え初売りも、多くの旗艦店で開店を1日遅らせたものの、売り上げは前年より伸びたとしている。

大阪メトロ 森之宮に”未来の乗り物”を楽しめる施設

大阪メトロは1月11日、4月に開幕する大阪・関西万博を盛り上げるため大阪市城東区森之宮の車両工場の跡地に、空を走行する車や自動運転のバスなど”未来の乗り物”を体感してもらうテーマパークをオープンした。万博開催中の10月までの期間限定。
自動運転バスは、ルートや速度など特定の条件のもとで、ドライバーの操作を必要としないもので、来場者を乗せて自動でカーブを曲がったり、信号を感知して停止、発車する。サーキット場では電力で走るゴーカーートに楽しむことができる。
また、会場の一角に展示されている大阪メトロの車両では、車やバスが空を走行している”未来の大阪の街”を、車窓に映し出すプロジェクションマッピングが行われている。

三井住友建設 水循環式バイオトイレ「SMilet」の販売開始

三井住友建設(本社:東京都中央区)は1月9日、水循環式バイオトイレ「SMilet(スマイレット)(TM)」の販売を2024年12月より開始したと発表した。スマイレットは、上下水インフラに接続することなく、水洗トイレが利用可能な水循環式バイオトイレで、災害時や上下水インフラが整っていない自然公園、建設現場などで嫌な臭いもなく、清潔で快適に使用することができるという。
販売窓口は住電商事(所在地:大阪市西区)が担う。このトイレは水洗トイレと汚水処理槽、貯水槽、蒸発処理槽などで構成され、まず汚水処理槽で微生物の力により処理水と、余剰汚泥に分離。分離した処理水は貯水槽内で電気分解処理による殺菌・脱色を施して再利用する。余剰汚泥は杉チップを充填した蒸発処理槽に移送・撹拌し、蒸発処理で減容化する。
スマイレットは設置や移動も簡単で、通常利用においては放流や汲み取りは不要。国土交通省が定める「快適トイレ」の認定を取得している。