慶應義塾大学の研究チームは6月2日、米科学誌『セル・ステム・セル』に、全身の筋肉が徐々に衰えていくALS(筋萎縮性側索硬化症)について、iPS細胞を使った研究で見つけた治療薬候補を患者に投与した臨床試験(治験)の結果を公表した。2024年にも規模を拡大した最終段階の治験を始め、治療薬として実用化を目指す。
今回、既存の薬剤の中から見い出した治療薬候補が、パーキンソン病の薬「ロピニロール塩酸塩」で20人の患者が参加した医師主導の治験で、運動機能の低下など病気の進行を推定約7カ月遅らせる効果があることや安全性を確認したとしている。
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経産省 航空燃料の1割をSAFに 石油元売りに義務化を公表
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家庭から排出される廃プラスチックを水素へ 官民の検討会発足
岩谷産業、豊田通商、日揮ホールディングスの3社は5月18日、廃プラスチックガス化設備を活用した低炭素水素製造事業の実現に向けて、14の会員自治体と12のオブザーバーとともに、廃プラスチックのケミカルリサイクルによる水素製造検討会を発足し、第1回検討会を実施したと発表した。水素製造開始は2020年中ごろを目標とする。水素製造能力は1.1万トン/年(廃プラ回収量:8万トン/年)。
同検討会では、再商品化手法の一種であるガス化ケミカルリサイクルを用いた各地域の大規模プラスチック資源循環システムの構築と、中部圏での先進的な地産地消低炭素水素供給システムの確立を目的とし、各地域で発生する廃プラスチックの効率的な収集を検討していく、
福井・永平寺町で全国初 自動運転「レベル4」公道で運行開始
東大 窒素ガスと水からのアンモニア合成で触媒寿命15倍, 速さ7倍に
東京大学の西林仁昭教授らのグループはこのほど、2019年4月に発表した、金属のモリブデンを使って常温常圧で窒素ガスと水などからアンモニアを合成する製法で、触媒の寿命を従来の15倍に伸ばしつつ、アンモニア合成する速さを約7倍に向上することに成功した。
燃やしても二酸化炭素(CO2)を排出しないアンモニアは脱炭素社会の燃料として期待されている。しかし、現状ではアンモニアの製造過程で課題がある。現在、アンモニアの大量生産では、約100年前に確立した製法、ハーバー・ボッシュ法が広く採用されている。これは鉄を主体とする触媒を使い、高温・高圧状態で空気中の窒素と水素を反応させるもの。ただ、原料となる水素はコストが安い天然ガスに含まれるメタンから取り出すケースが多く、製造プロセスで大量のCO2が発生する課題がある。