国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)は8月21日、新たなセンシング技術としてニオイ判定の手法を開発したと発表した。産総研は北海道立工業技術センターと共同で、魚肉の鮮度ごとのニオイを分析し、これに基づき模擬の鮮度指標ガスを作製。当該指標ガスの計測結果を学習データとし、機械学習で実際の魚肉のニオイから鮮度を判定した。
今回は養殖ブリ魚肉の鮮度をニオイから判定できることを示したが、今後は他の魚肉に対しても検証していく。これにより生鮮水産物にとどまらず、科学的な鮮度指標であるk値と半導体センサーのセンシング技術による出力と突き合わせることで、ニオイからk値を判定する技術の開発を行う。
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厚労省 アルツハイマー病新薬「レカネマブ」承認 初の治療薬
凸版印刷 水素エネルギー市場へ独自方式で電極部材の生産参入
凸版印刷(本社:東京都文京区)は8月17日、水素エネルギー市場への参入に向けて、世界初となる独自の製造方式による、触媒層付き電解質膜(CCM)/膜電極接合体(MEA)の生産設備を高知工場(所在地:高知県南国市)へ導入したと発表した。これにより、高性能、高品質なCCM/MEAの量産が可能となり、8月より販売開始する。
CCM/MEAは、水素を製造する水電解装置、水素の貯蔵や運搬に関する電解槽、そして水素を利用する燃料電池において中核となる重要な部材で、水素社会の実現には不可欠なエネルギー変換デバイス。同社は今後、同事業の成長とともにCCM/MEA設備の増強を図り、2028年に同事業で年間売上高100億円を目指す。
京大など国際共同研究G ソバゲノムを解読, 世界初モチ性ソバを開発
京都大学などの国際共同研究グループは8月11日、孤児作物の一つ、ソバのゲノム配列を染色体レベルで高精度に解読することにより、ソバのゲノム進化と栽培ソバの起源を解明。さらに予測された遺伝子をゲノム編集技術に依存しない手法で改変したと発表した。
その結果①これまで世界に存在しなかったモチ性ソバを開発することに成功②ソバの繁殖様式を他殖性から自殖性へ転換させることにより、新たな自殖性ソバの開発にも成功した。今回の研究で用いられた育種方法は、ゲノム編集技術に未対応な多種多様な孤児作物の改良に貢献することが期待される。
これらの成果は現地時間2023年8月10日、英国の国際学術誌『Nature Plants』にオンライン掲載された。
国際共同研究グループには京都大のほか科学技術振興機構、農業・食品産業技術総合研究機構、かずさDNA研究所、総合研究大学院大学、千葉大、理化学研究所などが参画している。