大阪大学などの研究グループは10月25日、ヒトが汗をかく時に働くたんぱく質を特定し、その働きを抑えることで汗の量を減らすことに成功したと発表した。グループはヒトが汗をかく際、汗をつくる「汗腺」の細胞が収縮運動を行い、皮膚の表面に汗を押し出していることに注目。この運動を詳しく観察したところ、コネキシンというたんぱく質が汗腺の細胞同士をつないで収縮を助けていることが分かったという。
さらに、このたんぱく質の働きを抑える薬剤を皮膚に塗って汗が減るか調べる臨床研究を行ったところ、自転車を15分間こいだ時に脇から出た汗の量が、塗らなかった場合と比べて平均60%減った。また、5分間の暗算をした時に手から出た汗の量も平均40%ほど減ったという。
グループでは今回の成果は、汗をかく体の機能そのものに働きかける新たな制汗剤の開発などに繋がる可能性があるとしている。
「新技術・新開発」カテゴリーアーカイブ
INPEXと大阪ガス メタネーション試験設備のプラント本工事に着手
コスモエネHDとTOYO 製油所で発生CO2をメタノールに直接合成
コスモエネルギーホールディングスと東洋エンジニアリング(以下、TOYO)は10月23日、触媒を利用したCO2からのメタノール直接合成に向けた共同検討について基本合意書を同日、締結したと発表した。
TOYOは、水素と製油所や工場から分離・回収したCO2からメタノールを直接合成できるライセンス技術を保有している。CO2を直接原料として使用できることから、複数のプロセスを経由することなく、効率的にメタノールを製造することが期待される。両社は今回の共同検討を通じてコスモエネルギーグループの製油所等から発生するCO2由来のサステナブル製品の生産を目指し、CO2削減効果や投資採算性等を双方で検討していく。
住友商事 ソニーGともみ殻由来のバイオ燃料・ケミカル製造の実証
住友商事は10月18日、ソニーグループと共同で、もみ殻由来のバイオ燃料・バイオケミカルを製造する実証実験を開始すると発表した。新潟県胎内市および胎内市農業協同組合(JA胎内市)の協力のもと、技術開発や用途開発に取り組み新しい地産地消の脱炭素化事業モデルとして、国内および世界への展開を目指す。
もみ殻は世界で年間1億トン以上、日本国内だけでも約200万トン排出されている。このもみ殻を回収し、①もみ殻炭を製造する②もみ殻炭から抽出した「もみ殻シリカ」および「もみ殻活性炭」を製造する③もみ殻炭製造時に発生するオフガスの再生可能エネルギーとしての活用技術を開発する。
この事業は、環境省の令和5年度「地域共創・横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業(二次公募)」に採択されている。
川崎重工とレゾナック 川崎地区の水素発電事業開発で協業
いすゞとホンダ 燃料電池大型トラックを初公開へ 外部給電機能も
いすゞ自動車(本社:横浜市西区)とホンダ(本社:東京都港区)は10月17日、両社が共同開発を進める燃料電池(FC)大型トラック「GIGA FUEL CELL」を「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」のいすゞグループのブースで初めて一般公開すると発表した。同ショーは10月28〜11月5日、東京ビッグサイトで開催される。
今回展示する開発車両は、都市間輸送の代表車型の「低床4軸8×4」を採用。航続距離は800km以上(いすゞ評価モード)と、大型トラックとしての実用性とゼロエミッションを両立させている。また、災害時等における「移動式電源」としての活用を想定した外部給電機能を備えている。
中国・イーハン「空飛ぶクルマ」の型式証明取得 商用利用視野に
青山商事 トウモロコシ由来の生地使用のウール混高機能スーツ
青山商事(本社:広島県福山市)は10月12日、植物由来のトウモロコシ原料を用いた繊維を使用し、高機能性も備えたサステナブルスーツを、同日より「スーツスクエア」「ザ・スーツカンパニー」「ユニバーサルランゲージ」の店頭および公式オンラインストアで販売すると発表した。
このスーツ企画には米国デュポン社が開発した植物由来の高機能ポリエステル繊維「Sorona(R)(ソロナ)」を採用することで、石油化学原料の使用量を削減。ソロナは工業用のトウモロコシから抽出したデンプンを使用しサステナブル繊維素材であるだけでなく、ストレッチ性と防シワ性も兼ね備えているという。価格は、ポリエステル70%・ウール30%混スーツで税込み4万3,890円。