「新技術・新開発」カテゴリーアーカイブ

カナデビア 山梨で80億円投じ水素の水電解スタック工場 

カナデビア(本社:大阪市住之江区、旧日立造船)は2月7日、約80億円を投じ山梨県、都留市と立地協定を交わし、都留市に固体高分子型水素発生装置の中核機器となる水電解スタックの量産工場を建設することで合意、山梨県庁で調印式を実施したと発表した。同式にはカナデビアの桑原道社長、山梨面の長崎幸太郎知事、都留市の堀内富久市長が出席した。
新工場は都留市厚原地内の新工業団地に建設予定。敷地面積は約3万6,000㎡。着工は2026年6月ごろ、2028年度末までに完成、操業開始を計画。水電解スタックの生産能力は年産1GW(電解効率5kwh/N㎥として製造水素換算15万7,000トン/年)になる。

iPS細胞で目の網膜治療「先進医療」に申請 神戸アイセンター

神戸市の神戸アイセンター病院のグループは、「網膜色素上皮不全症」という重い目の病気の患者3人にiPS細胞から作製した網膜細胞をヒモ状に加工して移植する臨床研究を実施。この網膜が1年後も定着し、このうち1人は見え方も改善していることが確認できたとして、この治療の計画を「先進医療」として厚生労働省に申請し、1月末に受理されたことを明らかにした。認められればiPS細胞を使う治療としては初めてのカーストなる。

”水素”燃料の旅客船公開 市中心部と万博会場間で運航

岩谷産業は1月29日、大阪・関西万博の期間中、大阪中心部と万博会場の間で運航される、脱炭素に向け新たに開発した水素燃料の旅客船「まほろば」を報道陣に公開した。まほろばは全長33m、定員は最大150人。130キロの水素を装填することが可能。船の速さは10ノット、時速およそ20キロで運航する予定。
万博期間中、週に3日、大阪・中之島ーUSJの海の玄関口となる「ユニバーサルシティポート」ー万博会場・夢洲のルートで運航される。

千葉・佐倉市で「バイオ炭」製造の実証実験開始 農研機構

国の研究機関、農研機構(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)が千葉県佐倉市の協力を得て1月28日、「バイオ炭」を製造する実証実験を開始した。バイオ炭は、竹や木の枝などを600度程度の高温で長時間熱してつくった炭を加工したもの。
農地に播くことで土壌の水はけが良くなるとされている。また、植物を炭にすることで成長の過程で吸収した二酸化炭素(CO2)を大気中に放出せず固定することになり、気候変動対策としての効果があるとされている。
実証実験では佐倉市が提供する間伐された竹や梨農園で剪(せん)定された枝などを使ってバイオ炭を製造するほか、地域の農家に利用してもらい、農産物の収穫量の変化なども確かめるという。

最新ロボ「ダビンチSP」で1カ所の傷口で胃がん手術成功

大阪けいさつ病院消化器外科のチームはこのほど、1月8日、胃がんの治療で最新の手術支援ロボット「ダビンチSP」を使って、患者の体に開ける傷口を1カ所だけで手術することに成功したことを明らかにした。これにより、患者の負担を減らすことが可能となった。
チームによると、手術支援ロボトを使った胃がん手術では、これまで患部の切除などに使う手術器具と、縫い合わせるための器具を体内に入れるため、患者の体に2カ所以上の傷口を開ける必要があった。しかし今回、ロボットの動きを調整するなどした結果、直径3cmほどの1カ所の傷口だけで手術に成功した。患者の術後の経過は順調で、1週間後に退院したという。

理研 スパコン「富岳」後継機開発に着手 計算速度5〜10倍

理化学研究所は、世界最高クラスの計算能力を持つスーパーコンピューター「富岳」の後継機となる新たなスーパーコンピューター「富岳NEXT」の開発に着手したことを明らかにした。富岳NEXTは計算能力を富岳の5〜10倍に高めるとともに、世界最高水準のAI(人工知能)性能を備える予定で、2030年ごろの運用開始を目指すとしている。

レアアース使わずモーター製造で新技術 京都ベンチャー

京都府のベンチャー企業、ネクストコアテクノロジーズ(本社:京都府宇治市)はこのほど、レアアースを使わずにモーターを製造できる新たな技術を開発した。通常、モーター製造にあたっては、耐熱性を高めるため回転する磁石にジスプロシウムたテルビウムを混ぜる必要がある。この点、同社では保有する金属の精製や加工の独自の技術を活用して、モーターの温度が上がらないようにすることで、レアアースを使わなくてもEV(電気自動車)向けなどのモーターを製造できる技術を確立した。さらに独自の技術によりモーターの消費電力の大幅な削減も可能としている。すでに個会や欧米の自動車メーカーから試作品の発注が相次いでいる。

エネコートとトヨタ「曲がる太陽電池」変換効率30%達成

京都大学発スタートアップのエネコートテクノロジーズ(所在地:京都府久御山町)は1月17日、トヨタ自動車と共同開発した「曲がる太陽電池」で変換効率30%の世界最高水準を達成したと発表した。
開発したのは「4端子タンデム型」と呼ぶ方式のペロブスカイト型太陽電池。一般的なペロブスカイト型太陽電池は高効率なものでも変換効率20%台のものが多い。しかし、これは2枚重ねの構造で、光エネルギーの30%を電気に変換できるという。今回は小型の試作品で実証したが、今後はパネルの大型化や耐久性の確保などを通じて実用化を目指す。

パナソニック 実用空間で次亜塩素酸の除菌効果 初めて確認

パナソニックは1月16日、群馬パース大学(所在地:群馬県高崎市)と同大学内の実習室と教室で検証し、次亜塩素酸の除菌効果を確認した。実習室内に次亜塩素酸を揮発させる装置を設置した実験では、大腸菌などの付着菌が9割以上不活化したことを確認したとしている。
これまで次亜塩素酸の除菌効果は実験空間では確認されていたが実用空間では確認されていなかった。