三菱重工業(本社:東京都千代田区)と日本ガイシ(本社:名古屋市瑞穂区)は5月22日、環境負荷を抑制するクリーン燃料・原料の利用拡大を見据え、需要の拡大が見込まれるバイオエタノールおよびe-メタノールの製造プロセスを低コスト・高効率化する膜分離脱水システムを共同開発すると発表した。燃料メーカー向けに2020年代後半の商用化を目指す。
「新技術・新開発」カテゴリーアーカイブ
京大 iPS細胞から精子, 卵子のもと大量作製成功, 医療応用
京都大学高等研究院の斎藤通紀教授らのグループは5月21日、ヒトのiPS細胞から卵子、精子のもとになる細胞を大量につくり出す方法を開発したと発表した。これにより、将来的に不妊治療など医療への応用が期待される。
グループはヒトのiPS細胞から生殖細胞のもとになる細胞をつくり、さらに卵子のもとになる「卵原細胞」に変化させる方法を開発しているが、できる細胞の数が少ないことが課題だった。今回グループは、様々な細胞の分化を助ける働きをする「BMP」というタンパク質を加えて培養したところ、課題だった「卵原細胞」を大量に作製することに成功したという。細胞の数は4カ月の培養期間でおよそ100億倍に増えた。また、同じ方法で精子のもとになる細胞も大量に作製することができたとしている。
ペロブスカイト型太陽電池 官民協議会設立 経産省主導
2者のCO2分離回収型水素製造装置実用化案 NEDOが採択
三菱化工機(本社:神奈川県川崎市)は5月20日、次世代型膜モジュール技術研究組合(所在地:京都府木津川市、以下、MGM組合)と協働提案した「高圧用CO2分離膜の水素製造システムへの適用性検討」が、新エネルギー・産業技術総合開発気候(以下、NEDO)が、公募した「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2分離・回収技術の研究開発/二酸化炭素分離膜システム実用化研究開発」の助成事業として採択されたと発表した。この助成事業で両者はCO2分離型水素事業の実証事業を共同で実施する。MGM組合が開発したCO2分離用分子ゲート膜を、三菱化工機が保有する水素製造装置へ組み込んだCO2分離回収型水素製造装置の開発を進め、2028年度中の商業利用開始を目指す。
次世代車SDV 30年に世界シェア3割目標 経産省が戦略案
経済産業省は「SDV」と呼ぶ次世代車で、日本車のシェアを高める新たな目標を掲げた。SDVは「Software Defined Vehicle」の頭文字。車両に搭載するソフトウエアの更新で、発売後にもソフトウエアのバージョンアップで車の付加価値を高めることができる。
経産省は国土交通省と連名で5月20日に公表した「モビリティDX(デジタルトランスフォーメーション)」戦略案で、2030年にSDVを世界市場見通しのシェア3割に相当する1,200万台販売する目標を掲げている。展開速度を速めるため、新戦略では自社の独自性が出しにくい半導体や生成AIなど7分野で、日系メーカー各社が共同で研究開発するよう求めた。
世界ではSDVを米テスラや中国の比亜迪(BYD)がすでに販売している。トヨタ自動車やホンダなどの国内勢は2025年度以降の本格投入を予定している。
京浜急行バスと東急バスが自動運転バスの共同実証実験
CO2削減と経済性両立するフィルム包装材技術を共同開発
奈良県立医科大「軟骨伝導」イヤホン パソナが万博に導入
ブタの腎臓移植した男性が死亡 米病院”移植が原因でない”
エア・ウォーター 家畜糞尿由来「バイオメタン」商用利用
エア・ウォーター(本社:大阪市中央区)は5月10日、LNG(液化天然ガス)の代替燃料となる家畜糞(ふん)尿由来の「バイオメタン」の製造から販売に至るサプライチェーンを確立し、同日よりボイラー燃料として利用する、よつ葉乳業の十勝主管工場へ納入開始したと発表した。このバイオメタンの製品純度はメタン(CH4)99.9%以上、製造能力は年間360トン。LNGタンクローリーで供給する。
同社はこれまで環境省の実証事業により、北海道十勝地方で家畜ふん尿由来のバイオガスに含まれるメタン分を分離・液化し、LNGの代替燃料として脱炭素を推進する顧客へ供給する、一連のサプライチェーンモデルの構築と実証を進めてきた。この実証事業が終了した本年度より、この取り組みを商用化することになった。家畜ふん尿由来のバイオメタンを新たなエネルギー製品として製造・販売する取り組みは、国内唯一の事例となる。