「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ

『夕刊フジ』25年1月末で休刊 55周年で夕刊紙の役割終えた

産経新聞社は10月1日、公式サイトで発行するタブロイド判夕刊紙『夕刊フジ』を2025年1月31日発行(2月1日付)をもって休刊すると発表した。休刊の理由について、デジタル端末の普及、コロナ禍に伴う帰宅時の購読機会の減少、原材料費、配達コストの上昇ーなどを挙げている。
夕刊フジは1969年2月に創刊。通勤帰宅時の交通機関での読み物として新たな需要を掘り起こした。今回、創刊55周年の節目に、夕刊紙としての一定の役割を終えたと判断した。

ispace 12月に月面探査「HAKUTO-R」ミッション2打上げへ

ispace(本社:東京都中央区)は9月12日、民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッションの打上げを12月に予定していると発表した。このミッション2でRESILIENCEランダー(月着陸船)が着陸予定となる月の地点を「Mare Frigoris」(寒さ・氷の海、Sea of Cold)の中央付近とすることも併せて明らかにした。
ミッション2の目的は、ランダーの設計・技術、および月面輸送サービス・月面データサービスの提供という事業モデルのさらなる検証と強化。また、資源探査の初期的な取り組みを自社開発のTENACIOUS(テネシアス)ローバー(月面探査車)を用いて実施する。

京大と住友林業 世界初の木造人工衛星「LignoSat」完成

京都大学と住友林業は5月28日、2020年4月より取り組んできた「宇宙木材プロジェクト」で、約4年かけて開発した木造人工衛星(LignoSat)が完成したと発表した。6月4日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)へ引き渡す。
これは1辺が100mm角のキューブサットと呼ばれる超小型の衛星で、NASA/JAXAの数々の厳しい安全審査を無事通過。世界で初めて宇宙での木材活用が公式に認められた。今年9月に米国フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げ予定のスペースX社のロケットに搭載し、国際宇宙ステーション(ISS)に移送する。ISS到着から約1カ月後に「きぼう」日本実験棟より宇宙空間に放出される予定。

京大 iPS細胞から精子, 卵子のもと大量作製成功, 医療応用

京都大学高等研究院の斎藤通紀教授らのグループは5月21日、ヒトのiPS細胞から卵子、精子のもとになる細胞を大量につくり出す方法を開発したと発表した。これにより、将来的に不妊治療など医療への応用が期待される。
グループはヒトのiPS細胞から生殖細胞のもとになる細胞をつくり、さらに卵子のもとになる「卵原細胞」に変化させる方法を開発しているが、できる細胞の数が少ないことが課題だった。今回グループは、様々な細胞の分化を助ける働きをする「BMP」というタンパク質を加えて培養したところ、課題だった「卵原細胞」を大量に作製することに成功したという。細胞の数は4カ月の培養期間でおよそ100億倍に増えた。また、同じ方法で精子のもとになる細胞も大量に作製することができたとしている。

東大 南海トラフ 3つのタービダイトの分布を発見 四国, 紀伊で

東京大学の研究グループは、南海トラフに沿って沈み込む深海堆積物を調査した結果、砂層に富むタービダイトがスロー地震活動の静穏域(プレート間固着の強い領域と概ね一致)に集中して分布することを発見した。これは海洋研究開発機構が過去に南海トラフで取得した反射法探査データを深海掘削データをと組み合わせ、海溝で沈み込む深海堆積物を分析した結果、分かったもの。
西側タービダイトは主に四国の足摺岬沖に、中央側タービダイトは紀伊半島の潮岬沖に、東側タービダイトは紀伊半島の熊野沖にそれぞれ分布。一方、四国の室戸岬沖ではタービダイトが分布せず、泥質堆積物のみが沈み込んでいた。南海トラフ沿いの深海堆積物をを分析し、沈み込むタービダイトの全貌を明らかにしたのは、今回が初めて。

ispace 民間初の月面着陸に失敗 燃料切れで十分に減速できず 

宇宙スタートアップのispace(マイスペース)は4月26日、月面着陸船の月への着陸について、「着陸船の状態確認は困難と判断した」と発表した。この結果、成功すれば民間企業として世界初の快挙との期待があった月面着陸は失敗に終わった。
月面着陸失敗の原因について、着陸船は月面に対して垂直になり、最終着陸体制となったが、途中で想定以上に燃料を過剰に消費し、減速に使う燃料がなくなり、降下速度が急速に上がった後、通信が途絶えたことが判明した。
同着陸船は2022年12月に米スペースXのロケットで打ち上げられ、宇宙空間を4カ月半航行して月に到着。順調にいかべ26日午前1時40分ごろにソフトランディングし、着陸する予定だった。

古河市兵衛記念センター 旧足尾鉱業所を復元建設

古河機械金属(本社:東京都千代田区)は3月13日、古河三水会理事会社が共同で設立した一般社団法人 古河市兵衛記念センター(2022年11月18日設立)が、1912年に竣工し、その後移築・解体された古河機械金属旧足尾工業所を往時の場所に「足尾銅山記念館」として復元する建設工事に着手すると発表した。
同記念館の建設予定地は栃木県日光市足尾町。工期予定は2023年3月〜2025年3月。施工は古河林業、設計は古河林業・日本設計。木造2階建て(延床面積約1,242㎡、建物高さ約15.8m)。2025年5月開館予定。
古河市兵衛が創業した古河グループは2025年に創業50周年を迎える。1877年に経営を始めた足尾銅山(栃木県)は明治鉱業史に特筆される技術革新を行うことで、日本一の産銅量を誇るまで発展し、古河グループ発展の原動力の役割を果たした。

民間初月面着陸目指す 宇宙船打ち上げ成功

宇宙ベンチャー、ispece(マイスペース、所在地:東京都)は12月11日、独自開発した月面着陸船を搭載した米スペースXのファルコン9ロケットが、米フロリダ州ケープカナベラル宇宙基地から打ち上げられたと発表した。ロケットから切り離された月面着陸船は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。月面への到着は約5カ月先で、成功すれば民間企業として世界初の快挙となる。

縄文遺跡群 世界遺産へ 北海道・北東北3県 イコモスが勧告

文化庁は5月26日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産として日本が推薦していた「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道と青森・岩手・秋田の3県)について、ユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス)が、「登録が妥当」とユネスコに勧告したと発表した。
7月16~31日にオンラインで開催されるユネスコ世界遺産委員会で登録が決定される見通し。正式に決まれば、日本国内の世界文化遺産は20件目となる。
縄文遺跡群は、縄文時代を代表する大規模集落跡「三内(さんない)丸山遺跡」(青森県)、大規模なストーンサークルとして知られる「大湯環状列石」(秋田県鹿角市)、地面に竪穴を掘り、その土を周囲に積み上げた「キウス周堤墓(しゅうていぼ)群」(北海道千歳市)-など17遺跡からなる。約1万年間続いた縄文時代に、狩猟、採集、漁労による定住生活が確立し、発展していった過程を伝えている。
イコモスは「先史時代における農耕を伴わない定住社会、複雑な精神文化を示している」と評価している。