がん治療の「量子メス」原型機開発 小型化で建設費削減へ QST

量子科学技術研究開発機構(QST)などは、がん治療技術「量子メス」の次世代装置の原型機を開発した。小型化によって全体の建設費を従来の約140億円から100億円以下に抑えることを目指す。2030年にも実用化を目指す。
量子メスは「重粒子線治療」技術の一種。炭素などのイオンを加速してがんに照射する。X線などを用いる放射線治療よりもピンポイントで患部にエネルギーを集めやすいため、治療効果が高く、副作用も少ないとされる。
QSTによると、重粒子線治療に関して、2022年3月時点で世界で15施設が稼働し、うち7施設が日本国内にある。東芝や住友重機械工業、日立製作所など日本企業が技術でリードする。日本経済新聞が報じた。