「アジア-社会」カテゴリーアーカイブ

京大病院 男児に世界初の肺と肝臓の同時生体移植を実施

京都大学医学部附属病院は3月4日、「先天性角化不全症」という重い疾患の10歳未満の男児に対し、両親と祖父から提供を受け、肺と肝臓の一部を同時に生体移植する異例の手術を実施したと発表した。
肺と肝臓それぞれの生体移植や、脳死状態の提供者からの同時移植は実施された例はあるが、生体の同時移植は世界初としている。病院によると、男児は今月、自力で歩けるまで回復し退院、臓器を提供した家族ともに経過は良好という。

筑波大 難治性の脳のがんに世界初の独自治療法 治験開始

筑波大学(所在地:茨城県つくば市)は2月22日、難治性がんの一種、こう芽腫という脳の病気に対して次世代の治療法で治験を開始すると発表した。同大学はつくば市の高エネルギー加速器研究機構などと連携し、独自に開発した照射装置と治療薬を組み合わせた「BNCT」という治療法で、初めてこう芽腫と診断された患者への治療を始めるという。BNCTはがん細胞に取り込んだ「ホウ素」に中性子を照射し、がん細胞を破壊する治療法。

マイナ保険証利用率 国家公務員もわずか4.36% 厚労省

厚生労働省は2月6日、健康保険証をマイナンバーカードと一体にした「マイナ保険証」について、国家公務員の利用率が2023年11月時点で4.36%だったと発表した。厚労省が国家公務員の利用率を公表したのは初めて。また、厚労省だけの利用率は4.88%だった。
政府は2023年12月に、現行の健康保険証を2024年12月2日に原則として廃止することを決めている。ただ、その一方で全国のマイナ保険証の利用率は2023年12月時点でわずか4.29%で、8カ月連続で低下している。

関空リムジンバス3月から200円引き上げ 15年ぶり改定

関西空港発着のリムジンバスを運行するバス会社17社は、3月1日から13路線のうち12路線で運賃を引き上げる。この結果、大阪駅前とを結ぶ路線では片道運賃が現在の1,600円から1,800円へ、京都駅八条口とを結ぶ路線では2,600円から2,800円へ、神戸・三宮とを結ぶ路線では2,000円から2,200円へ、JR和歌山駅とを結ぶ路線では1,200円から1,400円になる。
引き上げの理由は①運転手不足に伴う人件費の上昇②高速道路料金の値上げ③燃料費の高止まりーなどを挙げている。関空に乗り入れるリムジンバス料金の引き上げは、消費税の増税による改定を除けば2009年以来15年ぶり。

東大, 早大 培養骨格筋組織の収縮運動で二足歩行ロボ

東大と早大の研究グループは1月27日、生体材料と人工物を組み合わせた新たな二足歩行ロボット開発に成功したと発表した。グループは生体材料と人工物を組み合わせたバイオハイブリッドロボット技術を用い、培養骨格筋組織の筋収縮運動によって実現させた、”柔軟な足”を屈曲して動く二足歩行ロボットを世界で初めて製作した。これにより、ヒトの二足歩行で観察される細やかな旋回運動を再現することに成功した。

理研など アンモニアを合成する極微金属クラスター触媒

理化学研究所(理研)、東大、北海道大の共同研究グループは1月22日、アンモニアを合成する極微金属クラスター触媒を創製し、これを用いてアンモニアを低い温度でも持続的に合成することに成功したと発表した。これは極微サイズの金属クラスターの新しい合成手法を提案し、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないアンモニア燃料の合成を温和な条件下で可能にするもので、省エネや脱炭素社会への貢献が期待される。

インド ムンバイ〜アーメダバード高速鉄道全用地取得完了

インド高速鉄道公社はこのほど、日本が支援するムンバイ〜アーメダバード間の高速鉄道事業について、建設に必要な全用地の取得を完了したと発表した。地域別の取得済み用地はグジャラート州951.14ha、ダドラ・ナガルハベリ連邦直轄地7.9ha、マハラシュトラ州430.45haの計1,389.49haとなった。
このプロジェクトは日本の新幹線システムを利用したインド初の高速鉄道で、大都市ムンバイとアーメダバードをつなぐ。

関西の23年倒産企業3年ぶり2,000社超え 前年比33.5%増

帝国データバンクのまとめによると、関西で2023年に倒産(負債額1,000万円以上)した企業は、前年比33.5%増の2,106社に上り、3年ぶりに2,000社を超えた。原材料価格の上昇や円安で資金繰りが悪化し行き詰まった。新型コロナウイルス関連の支援策の効果で低水準にとどまっていたものが、これら施策の終了や縮小により、コロナ禍前の水準に戻った形となった。
業種別にみると、飲食店を含む「サービス業」が722社と最多。以下、「建設業」が408社、「食品業」の137社などが続いている。

23年「飲食業」倒産71%増の893件で過去最多を更新

東京商工リサーチのまとめによると、2023年の「飲食業」倒産(負債額1,000万円以上)は前年比71.0%増の893件に上り、コロナ禍の需要急変で倒産が急増した2020年の842件を上回り、過去最多を更新した。
コロナ関連支援策の終了や縮小に加え、客足や業績がコロナ禍前に戻らないまま、深刻な人手不足や物価高が収益を圧迫し、倒産件数を押し上げた。
また「新型コロナ関連」倒産も前年比71.7%増の548件を記録。飲食業倒産に占める構成比は61.3%(前年61.1%)と2年連続で6割を超えた。

東京都 都有地に水素の製造・供給設備を整備3基稼働へ

東京都の小池百合子知事は1月10日、2024年度予算案の査定後、臨海部にある都有地に再生可能エネルギーを活用する「グリーン水素」の製造と供給を担う設備を整備すると発表した。2024年度に着工し、年度内に1基を先行稼働させる。今後2基の設計に着手し、3基の稼働を目指す。
水素活用の促進に向け、新たに燃料電池トラックの燃料費の補助制度を開始する。補助額は小型トラックで年200万円、大型トラックで年900万円を上限とする予定。