「つなぐ」カテゴリーアーカイブ

大阪大グループ iPS細胞から「ミニ肝臓」作製に成功

大阪大学などの研究グループは、人の細胞から本物と同じような内部構造を持つ0.5ミリほどの大きさの「ミニ肝臓」をつくり出すことに成功したと発表した。同グループの研究論文が科学誌「ネイチャー」に掲載された。
iPS細胞から肝臓の細胞を作製し、ビリルビンなど肝臓の働きに関わる物質を混ぜるなどして培養したところ、肝臓の細胞が3つの」層をつくって固まり、0.5ミリほどの大きさの立体的なミニ肝臓ができたという。
内部の3つの層は栄養分の合成や分解などそれぞれ別の役割を担っていて、このミニ肝臓を重い肝不全のラットに移植する実験では、1カ月後の生存率が50%余りとなり、3層構造ではないものを移植した場合と比べて高かったという。3層構造を実現したミニ肝臓は本物の肝臓のすべての機能を補うことができる可能性があり、様々な応用が期待される。

エーザイ 認知症治療薬「レカネマブ」EUで初の承認取得

エーザイと米バイオジェンは4月16日、両社が共同開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ(製品名レケンビ)」が、早期アルツハイマー病の進行抑制治療薬として、欧州連合(EU)における販売承認を取得したと発表した。EU域内でアルツハイマー病の治療薬が販売承認されるのは初めて。EUの執行機関、欧州委員会がこのほど承認した。
この結果、EU加盟国に加え、ノルウェーなど計30カ国で販売できるようになる。まず2025年度内にドイツやオーストリアで発売する予定。
エーザイによると、欧州でアルツハイマー病に伴う軽度認知障害がある人は1,520万人、アルツハイマー病の患者数は690万人と推定される。

中国BYD 日本で新型SUV発売 国内4車種目 一部値下げ攻勢

中国の電気自動車(EV)大手BYDは4月15日、スポーツ用多目的車(SUV)「シーライオン7」を発売した。日本国内4車種目で、ラインアップを充実させる。航続距離は540km(WLTCモード)で、米国テスラの「モデルY」と同等で、価格は税込み495万円からと約60万円下回っている。
BYDは2023年に日本の乗用車市場に参入したが、認知度が高まらず、2024年の販売台数は約2,400台にとどまった。このため、日本で販売する小型車「ドルフィン」の一部モデル、SUV「アットスリー」など一部車種の値下げを発表するなど攻勢を強めており、日本国内EV市場で存在感を高められるか注目される。

京大病院が治験 パーキンソン病 iPS細胞で症状改善

京都大病院は4月16日、人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)からつくった神経細胞をパーキンソン病の50〜69歳の患者男女7人の脳に移植した治験結果を発表した。このうち6人で治療効果を調べたところ、4人で症状の改善がみられ、介助が要らなくなった人もいた。この結果を踏まえ、今回の治験に協力した住友ファーマなどは、年度内にも国に細胞製品の製造販売について承認申請する見通しだ。
パーキンソン病は、脳内で運動の調節に関わる物質ドーパミンをつくる神経細胞が減少して発症する難病。手の震えや歩行困難になったりする。根本的な治療法はなく、ドーパミンの分泌を促す薬で症状は抑えられるが、進行を止めるのは難しいとされる。国内患者数は推計29万人、世界では1,000万人を超える。50歳以上で発症することが多い。

関西医科大, 島津製作所 光免疫療法の治療効果可視化で治験 

関西医科大学(本部所在地:大阪府枚方市)と島津製作所(本社:京都市中京区)は4月15日、光免疫療法の治療効果を可視化するための臨床研究を開始すると発表した。研究では、切除不能な局所進行または局所再発が見られる頭頸部がん患者を対象として、光免疫療法の術前・術中・術後の正確な診断、手技、評価の実現性の検証などを実施する。研究期間は2025年4月1日〜2027年9月30日まで。
光免疫療法は、がん細胞に特異的に結合する抗体と光感受性色素(IR700)を組み合わせた薬剤の投与後、がんに対してレーザー光を当てることで細胞死を引き起こす、がんの新しい治療法。

大塚製薬 ベトナムに初の「ポカリスエット」工場を開設

大塚製薬(本社:東京都千代田区)は4月15日、ベトナム現地法人、大塚ニュートラシューティカルベトナムLtd.(本社:ベトナム・ホーチミン市)が、イオン飲料「ポカリスエット」の新工場の竣工式を同日、執り行ったと発表した。同工場ではポカリスエット350mlおよび500mlのペットボトルを製造する予定。

公取委 グーグルに排除命令 独禁法違反 アプリ搭載強要

公正取引委員会は4月15日、米グーグルが自社の検索アプリをスマートフォンに初期搭載するようスマホメーカーに強要したなどとして、独占禁止法でグーグルに対し、排除措置命令を出した。公取委がグーグルを含む「GAFAM(が―ファム)」と呼ばれる巨大IT企業の違反を認定して、同命令を出すのは初めて。
国内のスマホ市場は、アンドロイド端末と米アップルの「iPhone(アイフォン)」が二分する寡占状態にある。アンドロイド端末は、他社のアプリストアも利用可能だが、取り扱うアプリの数はグーグルプレイが圧倒的に多い。公取委の調査では、アンドロイド端末利用者の8割超がグーグルプレイを利用していた。

京大病院 iPS 1型糖尿病治験 膵島シート移植 国内初

京都大学附属病院は4月14日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って重い1型糖尿病を治療する治験で、国内初となる1例目の手術を行ったと発表した。手術は2月、京大病院で40歳代女性に行われ、移植細胞からインスリンが出ていることが確認された。患者はすでに退院したという。治験の対象は20〜64歳の重篤な患者3人。移植する細胞数は2,3例目で段階的に増やす予定。
この病気は10〜15歳の発祥が目立ち、患者は国内に推定10万〜14万人。通常、毎日数回のインスリン注射が必要だ。重篤な患者が血糖値をうまくコントロールできなければ、低血糖になって意識を失い、死亡する危険性もある。自己注射に代わる治療法が求められており、代替治療の確率への期待が高まりそうだ。

24年 地域ブランド「豊岡鞄」生産数7.6万個で過去最多に

兵庫県鞄工業組合によると、地域ブランドの「豊岡鞄」の2024年度の生産数が7万6,000個とこれまで最も多かったコロナ禍前の2019年度6万5,100個を上回り、過去最多となった。
豊岡鞄は、豊岡市の基幹産業であるかばん産業の振興を目指して2006年に導入した認定制度。同市で生産されたかばん製品のうち素材や縫製など7つの品質基準を満たした製品について、同工業組合が認定したもの。一定期間の保証や修理のサービスを受けることができる。
組合事業者らは小型のバッグや子ども向けランドセルなど職人技を生かして流行や需要に合わせた製品の開発に取り組むほか、東京や大阪などに専門の店舗を出店するなどを市場拡大につなげている。

ENEOS, 自動車5社 万博会場運行に合成燃料使用車両を提供

ENEOS、スズキ、SUBARU、ダイハツ工業、トヨタ自動車、マツダの6社は4月11日、大阪・関西万博開催期間中、来賓・関係者向け車両の会場内運行で、合成燃料を混合した燃料使用の乗用車を提供すると発表した。
合成燃料は再生可能エネルギー由来の水素とCO2を原料としており、製品ライフサイクル全体においてCO2排出量を抑えることのできるクリーンな燃料だ。液体燃料の合成燃料は既存インフラで活用できるため、内燃機関のCO2排出量削減のも貢献することができる。