「つなぐ」カテゴリーアーカイブ

12/2から「SUMINOE」に 住江織物が社名変更 非繊維増で

住江織物(本社:大阪市中央区)は11月28日、12月2日付で社名を「SUMINOE」に変更すると発表した。自動車の内装材など非繊維部門の比重が増えており、事業内容とそぐわなくなったため、社名から「織物」を外すことになった。また、北中米やアジアなど海外展開を強化していくことから、ローマ字表記にする。住江織物は1883年、大阪・住吉で創業。

”経営の神様”松下幸之助をAIで再現 理念伝承へ

パナソニックホールディングス(HD)は、”経営の神様”と呼ばれた創業者、松下幸之助の理念を次の世代に伝えようと、AIで再現した。これはパナソニックとPHP研究所などが共同で開発したもの。松下幸之助の孫で、パナソニックHDの元副会長、松下正幸特別顧問は、AI版について「実写かなと思うほどで懐かしく思い出しました。幸之助の理念の継承に役立つように使ってもらいたい」と話している。
200以上に上る生前の音声や著作物、講演での発言など大量のデータをAIに学習させることで幸之助氏の考え方や話し方などを再現したとしている。この”AI版松下幸之助”、グループ内の研修などで活用されるという。

阪大チーム 声失った患者そっくりの人工音声 AIアプリ開発

大阪大などの研究チームはこのほど、病気で声を失った患者の口元の動きから話そうとしている内容を人工知能(AI)で推定し、本人そっくりの人工音声を流す「読唇アプリ」を開発した。これを使えば患者の意思疎通が楽になるとし、チームは実用化を目指す。大阪大病院で患者に試験的に使ってもらうことを計画している。
チームは日本語の5種類の母音に加え、前後の音の並びによって変化する口元の動きを16種類に分類した「口形コード」という手法に着目。まず話している口元の膨大な映像と、その動きに対応するコードをAIに学習させ、口元の動きをコードに変換する手法を開発した。さらに別のAIを使い、コードを自然な日本語に置き換える2段階のシステムで、話そうとしている言葉を推定できるようにした。これらと、事前に録音した患者本人の声をもとに、人工音声でそっくりに再現するシステムも組み合わせ、アプリを完成させた。

デンソー, 富士電機 パワー半導体で協業 2,100億円投じ増産

自動車部品大手のデンソーと半導体大手の富士電機は、脱炭素化で需要が高まるパワー半導体の生産で協業することになった。両社は合わせて約2,100億円を投じ、電気自動車(EV)などパワー半導体を共同で増産する。経済産業省は両社に最大約700億円を補助し、国内勢の生産基盤強化を後押しする。
今回の協業で、デンソーは省エネ性能の高い炭化ケイ素(SiC)向けウェハーなどの半導体基板を、富士電機はSiC半導体の生産をそれぞれ分担する形で集約化を図る。

マイナ保険証で25年度から電子カルテ 病院間で共有へ

政府は、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」を利用する患者の電子カルテ情報について、医療機関同士で共有する新システム「電子カルテ情報共有サービス」の運用を、2025年度に始める方針を固めた。この新システムは厚生労働省所管の法人が管理する。
これにより、各医療機関から電子カルテに記録された病名やアレルギー、感染症と生活習慣病の検査や健診結果、処方箋の情報が集まり、データベースに蓄積される。データの保存期間は3カ月〜5年間となる。全国の医療機関がデータを閲覧するためには、患者の同意を得る必要がある。
新システムが導入されると、救急患者の症状と、データを突き合わせて診断したり、初診患者の検査結果を、過去の数値と比べて病状の変化をみたりすることが可能になる。また、アレルギー情報は安全な薬剤の処方に役立つ。

日立 台湾MRT設置用昇降機147台受注 地震時 検知機能搭載

日立製作所は11月28日、台湾で建設中の都市高速鉄道(MRT)に設置されるエレベーターなど昇降機147台を受注したと発表した。受注額は非公表。昇降機関連では台数、金額ともに台湾では過去最大規模。昇降機の内訳はエレベーター41台、エスカレーター106台。同社の子会社、日立永大電梯を通じて受注した。すべてのエレベーターには、地震時、閉じ込めを防ぐ検知機能が搭載される。

繊維大手ユニチカ 赤字続きの祖業の繊維事業から撤退へ

大手繊維メーカー、ユニチカ(本社:大阪市中央区)は赤字が続いていた祖業の繊維事業から撤退する方針を固めた。需要が伸びている食品包装や半導体関連の材料に使われるフィルム事業に経営資源を集中する。これに伴って、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行などの主力銀行も300億〜400億円規模の債権放棄を行う方向で調整する。
同社のルーツは尼崎紡績で、1889年に創業した後、天然繊維の紡績工場から脱却、黎明・成長期の化合線繊維の製造を手掛ける中、主力メーカーの一角として、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなど化合繊繊維事業を拡大し、日本の繊維産業の近代化や戦後の高度経済成長を支えた。
ただ、近年は様々な構造改革にも関わらず、日本の繊維産業を取り巻く大きな環境変化も加わり、海外の低価格品との競争激化で衣料品や生活雑貨向けの戦時事業の業績は大きく落ち込んでいた。

住友商事, 四国電力 カタール国際入札で発電造水事業受注

住友商事(本社:東京都千代田区)と四国電力(本社:香川県高松市)は11月26日、韓国南部電力(以下、KOSPO)とKorea Overseas Infrastructure & Urban Development Corporation(以下、KIND)とともに、カタール送電水道公社(以下、Kahramaa)が実施した国際入札で、Facility E発電造水事業権益を受注。今回4社を代表して住友商事とKahramaaとの間で長期売電売水契約を締結したと発表した。
今後4社はカタール発電造水会社、カタール国営石油公社と共同で事業会社を設立する。これはカタールの首都ドーハから約25km南のRas Abu Fontas地区にある発電所跡地に、天然ガス火力発電所(2,400メガワット)と海水淡水化設備(49.5万トン/日)を新設し、運転する民活型発電造水事業。

JR東海 カーボンニュートラル実現へ水素動力車両開発推進

JR東海は11月26日、政府の2050年カーボンニュートラル政策に呼応、同社が推進している取り組みの一環として、軽油を燃料とする従来の気動車に代わる、水素を燃料とした「水素動力車両」の開発状況を明らかにした。この水素動力車両はHC85系ハイブリッドシステムをベースとし、動力源として燃料電池と水素エンジンを検討している。
今回、水素エンジンハイブリッドシステムの試作機が完成した。これは産業用のディーゼルエンジンをベースにiLabo(本社:東京都中央区)が開発した水素エンジンとJR東海のHC85系で使用している発電機、車両制御装置、蓄電池を組み合わせたシステム。水素エンジンは高い耐久性と出力密度、および高負荷域での高い効率が期待でき、また燃料電池と比較して低い水素純度でも運転できる特長がある。

阪大チーム がん免疫療法の副作用のたんぱく質を特定

大阪大のチームはこのほど、「がん免疫療法」の副作用と関わるたんぱく質を、マウスを使った実験で突き止めたと発表した。論文が科学誌サイエンスに掲載された。同チームは、このたんぱく質の働きを抑えれば、がんを攻撃する免疫細胞によって起きる副作用を軽減できる可能性があるとしている。
免疫細胞には、ウイルスやがんを攻撃して体を病気から守る「キラーT細胞」などと、逆にキラーT細胞などの働きにブレーキをかけて過剰な免疫反応を抑え、結果的にがんを保護することもある「制御性T細胞(Tレグ)」が存在する。免疫療法では、これらの免疫細胞に働きかけ、効果的にがんを攻撃させる複数の薬が開発されているが、全身で炎症が起きるなどの副作用が出やすいことが課題となっている。