「アジア-社会」カテゴリーアーカイブ

4月から自動配送ロボットが公道で走行可能に

4月1日から改正道路交通法が施行され、事前に届け出をすれば自動配送ロボットの歩道や路側帯など公道での走行が可能になる。物流業界の人手不足や過疎地での”買い物弱者”の解消に向けて、実用化が期待されている。
3月27日、東京・霞が関の経済産業省の敷地内で、自動配送ロボットをPRするイベントが行われた。会場には自動車や電機メーカー、ネット通販の企業などが開発した8台の自動配送ロボットが並べられ、実際に走行させるデモンストレーションが行われた。

慶大 心停止患者に水素加えた酸素投与で救命率向上

慶応大学の研究グループは、心臓が停止した後、救急病院に搬送された患者に水素を加えた酸素を投与して救命措置を行うと、通常の酸素を投与した場合より救命率が高まったとする臨床試験の結果を発表した。今後治療の実用化を目指すとしている。
同グループは各地の15の病院で2021年9月までの4年半余りの間に、心停止で搬送され、意識が回復していない患者73人を対象に、2%の水素を加えた酸素を投与して救命措置行った場合の効果を調べる臨床試験を実施した。その結果、90日後の生存率は通常の酸素投与を受けた患者では61%だったのに対し、水素を含む酸素投与を受けた患者では85%だったという。また、後遺症なく回復した人の割合も、水素を含む酸素投与受けts患者では46%と、通常の酸素投与を受けた患者の21%より大幅に高かったとしている。
総務省消防庁の統計によると、心臓の病気などで心臓が停止し救急の医療機関に搬送される患者は、国内で年間およそ8万人に上る。意識が戻らないまま亡くなったり、助かっても重い後遺症が残るケースが数多くみられる。

2月中途求人倍率2.15倍 転職希望増で2カ月連続低下

パーソルキャリア(所在地:東京都千代田区)によると、2月の中途採用求人倍率は前月比0.19ポイント低い2.15倍だった。前月を下回るのは2カ月連続。新型コロナウイルス対策の緩和とともに、転職を希望する人の動きが増えているため。
求人数は13業種すべてで前月を上回り、全体でも3.5%増えた。一方、転職希望者数も前月比12.6%増と大幅に伸びたため、倍率が押し下げられた。

東北大 iPS細胞による心筋細胞作製の効率的培養法

東北大学の研究グループは3月17日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)が形成した細胞の塊を、硬さの調節が可能なハイドロゲルを挟み込む”サンドウイッチ培養法”を確立したと発表した。この方法を用い、ゲルの硬さを心臓の硬さに近似させると、iPS細胞が中胚葉の細胞に分化しやすくなり、拍動する心筋細胞が効率的に得られた。
今回確立した培養法は、従来のiPS細胞を用いた心筋細胞作製の効率化に役立つ可能性がある。また、硬さ環境に着目したこの培養法は、iPS細胞から様々な組織や器官(培養臓器)を作製するために適した硬さ環境や、その分子機構を明らかにするツールとして活用されることが期待される。
この研究成果は3月5日に、高分子科学専門誌Macromolecular Biosciencelに掲載された。

2月の派遣時給も最高 4カ月連続 訪日客関連で活気

人材サービス大手エン・ジャパンによると、2月の派遣社員の募集時平均時給は、三大都市圏(関東・東海・関西)で前年同月比37円(2.3%)高の1,657円だった。この結果、4カ月連続で過去最高を更新した。
職種別では営業・販売・サービス系が17円(1.0%)高の1,570円だった。新型コロナの水際対策の緩和後、月を追って回復しつつある訪日外国人客対応の業種・職種で値動きが活発だ。

メタ VR端末を世界各地で値下げへ 普及促す

米メタは3月3日、仮想現実(VR)端末を世界各地で値下げすると発表した。これにより、上位機種の「Meta Quest Pro」の日本における価格は、従来より6万7,000円余り引き下げられ15万9,000円(税込み)となる。日本など約20カ国・地域では3月15日に価格改定する。値下げにより普及を促し、開発者が対応ソフトなどをつくりやすい環境を整える。
普及価格帯の「Meta Quest2」も3月5日に各地で値下げし、日本では内蔵メモリーが256ギガバイトの製品を従来より約1万円安い6万4,405円とする。

WIPO 22年の国際特許出願0.3%増 中国4年連続首位

世界知的所有権機関(WIPO)のまとめによると、2022年の特許の国際出願件数は前年比0.3%増の27万8,100件と過去最高を更新した。
国別では首位の中国が0.6%増の7万15件に上り、初めて7万件を突破し、2019年から4年連続で首位となった。2位は米国で0.6%減の5万9,056件、3位は日本で0.1%増の5万345件だった。アジア地域からの出願が全体の55%に達し、韓国、インドなどアジア勢の伸びが目立った。

空飛ぶクルマ 大阪・淀川河川敷で初の試験飛行

大阪・関西万博で交通手段としても実用化が期待されている「空飛ぶクルマ」の試験飛行が3月2日、淀川河川敷で行われた。大阪府内で空飛ぶクルマの試験飛行が行われるのは初めて。
これは大阪府枚方市と、岡山県の中小企業などでつくる一般社団法人「MASC」が共同で行ったもので、重さ80kgの荷物を載せて高度30mまで上昇し、安全に飛行できるかを検証した。淀川の上空をあらかじめプログラムされた全長およそ1kmのルートに沿って5分間ほど進んだり、旋回した後、再び元の場所まで戻って着陸した。
使用された機体は、全長および幅がそれぞれ5.6m、高さ1.7m、プロペラが16枚付いた2人乗り。MASCでは、今後も試験飛行を積み重ね、万博を目指すとしている。

トヨタ, ホンダ 賃上げ・一時金満額回答 初回交渉で

トヨタ自動車とホンダは2月22日、2023年度春季労使交渉で賃上げと一時金について、労働組合の要求に満額で回答した。トヨタの満額回答は3年連続。初回の労使交渉で表明するのは2年連続となった。
ホンダはベアと定期昇給(定昇)合わせ月1万9,000円の賃上げを求めた労組要求に満額回答した。一時金は前年より0.4カ月多い6.4カ月分の要求に対して満額回答した。大卒新卒の初任給を現行の10%増の25万1,000円にすることも決めた。
トヨタの労組側の要求は、一時金が満額回答だった2022年を0.2カ月分下回る6.7カ月分。賃上げは全組合員平均の要求額は非公表。ただ労組によると、賃上げについては「過去20年で最高水準」としている。