「アジア-社会」カテゴリーアーカイブ

10月求人広告43.5%増の132万件 18カ月連続プラス

全国求人情報協会(本部所在地:東京都千代田区)が11月25日発表した10月の求人広告件数(週平均、職種別)は、前年同月比43.5%増の132万4,644件にに上った。前年同月を上回るのは18カ月連続。10月から始まった政府の観光促進策「全国旅行支援」や水際対策の緩和を受けて、飲食業や宿泊業などを中心に必要となる人材確保に向けた動きが広がっている。

カニ殻から作物の免疫力引き出すオリゴ糖の合成に成功

東大などは11月25日、カニ殻の主成分キチンを分解し、植物の免疫力を引き出すオリゴ糖を効率的に合成することに成功したと発表した。農業でこのオリゴ糖を使用して農作物の免疫力を引き出すことにより、低農薬でも病気にかかりにくくなり、収穫量が増えることが期待される。この研究チームは東大のほか、北海道大学、東京理科大学、昭和電工の4者。

関空10月国際線旅客数30万人 19年10月の85%減水準

関西国際空港を運営する関西エアポートは11月25日、10月の利用状況を発表した。国際線旅客数は前年同月比14倍の30万1,808人だった。このうち外国人客は同18倍の20万6,160人と7割近くを占めた。ようやくインバウンド需要の”かけら”みえてきた。水際対策の緩和、入国制限の撤廃により個人の訪日外国人客が増えてきた。ただ、新型コロナウイルス禍前の2019年10月と比べると、まだ国際線旅客数は85%減の水準だ。
国内での新型コロナの”第8波”、コロナ禍前はインバウンド需要の大きな比重を占めていた中国が、政府の”ゼロコロナ”政策のもと、中国本土各地でロックダウン(都市封鎖)中との情報が伝えられる。それだけに、急な上昇カーブは望めないようだ。新型コロナの今後の動向も無視できないが、それでも東南アジア、欧米諸国からの訪日客は段階的に増加していくとみられる。

慶応大 国内初「子宮移植」臨床研究を申請 3人に実施 

慶応大学のチームは11月24日、生まれつき子宮がない「ロキタンスキー症候群」の患者や、手術により子宮を摘出した患者らを対象に、こうした女性が出産できるようにするため、第三者の子宮を移植する臨床研究の実施計画を学内の倫理委員会に申請した。承認されれば国内初の子宮の移植手術が実施される。計画では20〜30代の女性3人程度に実施。子宮の提供者は母親など親族を想定している。
日本医学会によると、世界では2021年3月時点で米国やスウェーデンなど16カ国で85例の人での子宮移植が実施され、うち40例が出産に成功しているという。

居酒屋上場16社 コロナ前から約2割,1274店舗削減

新型コロナウイルス禍で大打撃を受けた業種は、飲食業や宿泊業などをはじめとして少なくないが、居酒屋業界もその一つで、大手各社で依然として店舗の撤退が続き歯止めがかかっていない。
東京商工リサーチのまとめによると、上場居酒屋チェーン主要16社の店舗数はコロナ前の2019年12月末の6,661店から、2022年9月末時点で5,387店へと、1,274店(19.1%)減少している。政府、自治体などからの営業制限がなくなり、客足は戻りつつあるが、事業採算は上向かず、6月末から9月末で111店(2.0%)減となっている。撤退に歯止めがかかっていないのだ。
コロナ前から最も店舗が減少したのは、居酒屋「はなの舞」や「さかなや道場」を運営するチムニーの250店舗減。同社は738店舗から488店舗へ削減した。次いでレインズインターナショナル(親会社コロワイド)の245店舗減(1,839店舗から1,594店舗へ)、大庄の197店舗減(487店舗から290店舗へ)などとなっている。

厚労省 塩野義のコロナ飲み薬「ゾコーバ」緊急承認

厚生労働省は11月22日、塩野義製薬(本社:大阪市中央区)が開発を進めていた新型コロナウイルスの日本初の国産軽症・中等症患者向け飲み薬「ゾコーバ」を緊急承認した。
7月に行われた厚労省の専門部会では承認が見送られ、継続審議となっていた。これを受け塩野義製薬は9月、新型コロナウイルス患者約1,800人を対象に実施した最終段階の臨床試験の結果を提出。今回は咳、発熱などの症状改善効果や抗ウイルス効果の療法で有効性があると判断、正式承認された。国産創製薬に緊急承認制度が適用される初めてのケースとなった。
ゾコーバについて、加藤厚生労働相は「軽症から中等症の患者を対象とする、新たな治療法の選択肢の一つとして期待している」としている。塩野義製薬との間ですでに100万人分の購入契約を締結しており、「12月初頭には医療現場で使用できるよう供給を開始する予定」という。

北大 常圧でCO2からアルコールの直接合成に成功

北海道大学の研究チームは、電気を使って二酸化炭素(CO2)からアルコールを直接合成することに成功した。常圧で温度は220度で反応する。火力発電所などから回収したCO2を化学品減量に変換する用途を想定する。反応効率を高めた触媒を開発し、実用化を目指す。日本経済新聞が報じた。

工学院大 バイオガスで作動の燃料電池とエビ養殖で実証

工学院大学(所在地:東京都新宿区)は11月4日、世界初のバイオガスで作動する燃料電池とIoTを導入したエビ養殖システムの実証研究を産学連携で開始すると発表した。バイオガスSOFCによるグリーン電力供給とIoT水管理によるエビ増産システムを統合したエビ養殖システムを構築し、これを実証する。「養殖汚泥とバイオマス廃棄物」と「IoTを用いた制御によるエビ養殖」の2つを組み合わせたもの。

人工的に毛を作り出す組織を作製する技術を開発

横浜国立大学の研究チームは、高効率に毛が生える組織を体外で作製する技術を開発した。マウスの細胞から毛を生み出す細胞を作製して培養すると、長さ5mm程度の毛が生える。この毛をマウスの皮膚に移植すると定着し、抜けて生え換わる周期も再現できたという。人の毛髪の再生医療や治療薬開発への応用を目指す。

「ジブリパーク」開業 ジブリの世界に熱い視線

スタジオジブリの世界観をテーマにした公園「ジブリパーク」(所在地:愛知県長久手市)が11月1日、開業した。待ちわびたジブリファンらが午前10時の開業時間の2、3時間前から列をつくった。
愛・地球博記念公園(157ha)の一部、7.1haを活用して設(しつら)えられたジブリパークは、映画「千と千尋の神隠し」「となりのトトロ」「耳をすませば」「天空の城ラピュタ」「紅の豚」「崖の上のポニョ」などの世界に誘う展示品や施設が立ち並ぶ。
この日は計画されている全5エリアのうち、ジブリ作品の名場面を実物大で再現したセットが並ぶ「ジブリの大倉庫」、トトロの世界などを表現する「どんどこ森」、「耳をすませば」の舞台が再現された「青春の丘」が先行開業した。残りは「もののけ姫」がテーマの「もののけの里」が2023年秋、「魔女の宅急便」などがテーマの「魔女の谷」は2024年3月の開業予定。
施設を整備する愛知県は、全面開業する2023年度以降の経済効果を年480億円と試算している。