厚生労働省は11月22日、塩野義製薬(本社:大阪市中央区)が開発を進めていた新型コロナウイルスの日本初の国産軽症・中等症患者向け飲み薬「ゾコーバ」を緊急承認した。
7月に行われた厚労省の専門部会では承認が見送られ、継続審議となっていた。これを受け塩野義製薬は9月、新型コロナウイルス患者約1,800人を対象に実施した最終段階の臨床試験の結果を提出。今回は咳、発熱などの症状改善効果や抗ウイルス効果の療法で有効性があると判断、正式承認された。国産創製薬に緊急承認制度が適用される初めてのケースとなった。
ゾコーバについて、加藤厚生労働相は「軽症から中等症の患者を対象とする、新たな治療法の選択肢の一つとして期待している」としている。塩野義製薬との間ですでに100万人分の購入契約を締結しており、「12月初頭には医療現場で使用できるよう供給を開始する予定」という。
「アジア-社会」カテゴリーアーカイブ
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「ジブリパーク」開業 ジブリの世界に熱い視線
スタジオジブリの世界観をテーマにした公園「ジブリパーク」(所在地:愛知県長久手市)が11月1日、開業した。待ちわびたジブリファンらが午前10時の開業時間の2、3時間前から列をつくった。
愛・地球博記念公園(157ha)の一部、7.1haを活用して設(しつら)えられたジブリパークは、映画「千と千尋の神隠し」「となりのトトロ」「耳をすませば」「天空の城ラピュタ」「紅の豚」「崖の上のポニョ」などの世界に誘う展示品や施設が立ち並ぶ。
この日は計画されている全5エリアのうち、ジブリ作品の名場面を実物大で再現したセットが並ぶ「ジブリの大倉庫」、トトロの世界などを表現する「どんどこ森」、「耳をすませば」の舞台が再現された「青春の丘」が先行開業した。残りは「もののけ姫」がテーマの「もののけの里」が2023年秋、「魔女の宅急便」などがテーマの「魔女の谷」は2024年3月の開業予定。
施設を整備する愛知県は、全面開業する2023年度以降の経済効果を年480億円と試算している。
カンボジアで日本発もみ殻固形燃料に関心 縫製業など
日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、もみ殻固形燃料を製造する装置を販売するトロムソ(所在地:広島県)は、カンボジアの首都プノンペンから約170km離れたコニポントム州の精米工場で10月14日行われた、もみ殻をもみ殻を固形燃料化する実証実験の結果に同国企業から関心が集まっている。
もみ殻を固形燃料化した「モミガライト」は、造船技術を応用した特殊なミルで原料のもみ殻を細粉化し、高密度に圧縮することで製造される。その結果、①連続燃焼時間が長く、薪(まき)と比べ単位あたりの製造原価を抑えられる②化学接着剤に圧縮・固形化することで、燃焼時に有毒ガスが発生せず、環境に優しい−−などの特長があるという。
こうした結果を踏まえて、もみ殻固形燃料に対し代替燃料として、カンボニアの主力産業の縫製産業で導入を検討する企業で、モミガライトの活用が期待されている。