「新技術・新開発」カテゴリーアーカイブ

あすか製薬 緊急避妊薬「ノルレボ」市販承認取得, 国内初

あすか製薬は10月20日、厚生労働省から同日付で緊急避妊薬「ノルレボ」の市販向け製造販売承認を取得したと発表した。緊急避妊薬の市販化が国内で認められるのは初めて。
ノルレボは、臨まない妊娠を防ぐための経口薬で、性交後72時間以内に服用した場合の妊娠阻止率は約8割という。医療用医薬品として使われているノルレボは、医師による診断や処方箋がなくても購入できるようになる。販売は第一三共ヘルスケアが担う。早ければ年度内にも販売が始まる見通し。

川崎重工など3社 世界初 舶用水素エンジンの陸上運転に成功

川崎重工業(東京本社:東京都港区、神戸本社:神戸市中央区)、ヤンマーパワーソリューション(本社:大阪市北区)、ジャパンエンジンコーポレーション(本社:兵庫県明石市)の3社は10月20日、世界初の取り組みとして、実証用の液化水素燃料供給設備をジャパンエンジン本社工場内に新たに設置し、舶用水素エンジンの陸上運転に成功したと発表した。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「グリーンイノベーション基金事業/次世代船舶の開発」の委託事業の一環。
3社共用のこの設備は、液化水素を貯蔵してガス化し、各社のエンジンへ高圧または低圧で水素燃料を供給する。実船での様々な用途を想定する。

奈良県立医科大 ALS原因抑制の因子発見 治療法開発に道

奈良県立医科大学などのチームは10月16日、英科学誌に、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の進行や発症を巡り、原因とみられる物質の増加を抑える因子を発見したと発表した。ALSなどの神経変性疾患の解明や治療法開発につながると期待される。
ALSは、筋肉の運動に関する神経細胞が侵され、体が徐々に動かせなくなる国指定の難病。

トヨタとダイハツ 電力損失45%減の変換器を共同開発

トヨタ自動車グループの豊田中央研究所とダイハツ工業は10月7日、再生可能エネルギーを効率よく融通できる電力変換器を共同開発したと発表した。既存の設備と比べて変換器の電力損失を約45%減らせる。
今回独自開発した電力変換器「スマートパワーハブ(SPH)」を、トヨタ自動車九州の小倉工場(所在地:北九州市)の蓄電設備に設置。2日から実証実験を始めている。

トヨタ「ウーブン・シティ」開業, 街全体が実証実験場

トヨタ自動車が建設した次世代都市「ウーブン・シティ」(所在地:静岡県裾野市)が9月25日、開業した。ウーブン・シティ全体の敷地面積は約30万㎡。トヨタの子会社、ウーブン・バイ・トヨタが都市の主な開発を担う。
街全体を実証実験場に、トヨタグループや三角企業ら計20社で始動した。参画企業と人工知能(AI)や自動運転、ロボットなど新たな技術やサービスを開発する。2026年以降に、一般市民も実証実験に加わり、第1期エリアには最終的に約300人が居住する計画。
25日に開業したのは第1期エリア(約5万㎡)で、居住施設や実験施設など計14棟。居住施設には同日からトヨタ関係者ら数世帯が入居を始めた。

パナソニック世界初125度の高温でも充放電「全固体電池」

パナソニックホールディングス(HD)は9月18日、次世代電池の本命と期待される「全固体電池」で、産業機械や車載センサー向け電池の生産に乗り出すと発表した。グループのパナソニックエナジーが開発した。
これは、125度の高温でも充放電可能な世界初の電池としている。来年度からサンプリ出荷を開始する予定で、実用化されればパナソノックグループ初の全固体電池となる。

環境省 脱炭素へ人工光合成 2040年に原料の量産化目指す

環境省は9月6日、地球温暖化対策の一環として2040年に「人工光合成」による原料の量産化を目指すとする工程表を公表した。人工光合成は、太陽の光をエネルギーとして利用し、水や二酸化炭素から燃料などを生成する技術。
人工光合成によって最終製品として二酸化炭素の排出が少ない航空機の代替燃料の「SAF」や、肥料などをつくることが想定されている。工程表では2030年に一部の技術の先行利用を始め、2040年に燃料などの原料を量産化させるとしている。

”核融合発電”開発先行の米企業に日本大手12社が出資

次世代のエネルギー源として世界的に開発競争が激しくなっている「核融合発電」を巡り、日本の大手商社や電力会社など大手企業12社が、開発で先行している米国の企業に出資したことが明らかになった。
核融合発電の開発で先行している米国のコモンウェルス・フュージョン・システムズ(CFS)が9月3日、東京都内で会見し、発表した。出資した12社は三井物産、三菱商事、関西電力、NTTなど。出資額は明らかにしていないが、関係者によると合わせて数十億円規模に上るという。