量子科学技術研究開発機構(QST)などは、がん治療技術「量子メス」の次世代装置の原型機を開発した。小型化によって全体の建設費を従来の約140億円から100億円以下に抑えることを目指す。2030年にも実用化を目指す。
量子メスは「重粒子線治療」技術の一種。炭素などのイオンを加速してがんに照射する。X線などを用いる放射線治療よりもピンポイントで患部にエネルギーを集めやすいため、治療効果が高く、副作用も少ないとされる。
QSTによると、重粒子線治療に関して、2022年3月時点で世界で15施設が稼働し、うち7施設が日本国内にある。東芝や住友重機械工業、日立製作所など日本企業が技術でリードする。日本経済新聞が報じた。
「新技術・新開発」カテゴリーアーカイブ
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京大 iPS細胞活用し難病の筋ジストロフィー治療に新技術
京都大学iPS細胞研究所の堀田秋津准教授らの研究グループは、難病の筋ジストロフィーの患者からiPS才能をつくり、遺伝子を操作できる新しい技術を使って、病気の原因となる異常を取り除いて正常な細胞をつくることに成功したと発表した。
遺伝子変異の場所が異なる3人の筋ジストロフィー患者からiPS細胞をつくり、ゲノム編集と呼ばれる遺伝子操作の中でも、国内で開発された新しい手法を使って、3人のそれぞれ病気の原因となる異常な細胞を取り除くことに成功したという。このiPS細胞を筋肉の細胞に変化させて調べたところ、機能が正常になったことを確認できた。研究グループは今後、新しい治療法の開発につなげたいとしている。