「新システム」カテゴリーアーカイブ

メディカロイド 手術支援ロボ 胸部外科への適応承認取得

メディカロイド(本社:神戸市中央区)は4月17日、手術支援ロボット「ninotori(TM)サージカルロボットシステム」の胸部外科領域への適応について、4月15日付で厚生労働省より承認を取得したと発表した。
ninotoriは、2020年8月、国産の手術支援ロボットとして、泌尿器科領域における製造販売承認を取得。その後、2022年10月に消化器外科および婦人科にも適応領域を広げ、国内の医療現場で採用されている。今回の承認取得により、対象診療科をさらに拡大、新たな領域で手術をサポートする。

東大など 培養液を3℃加温するだけでレタスの収穫量向上

東大、理研、筑波大などのチームは4月16日、植物工場のレタス栽培で培養液を3℃加温するだけでレタスの生育と機能性成分が向上し、収穫量がアップすることを解明したと発表した。チームは培養液を3℃加温することによって、根からの養分の取り込みとアミノ酸代謝が促進され、養液栽培レタスの生育とカロテノイドやビタミンCなどの機能性成分が向上することが明らかになったとしている。

サントリー 東京ガスと水素でウイスキー原酒造りに成功

サントリーは4月11日、東京ガスと共同で燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない水素を燃料に使いウイスキーの原酒造りに世界で初めて成功したと発表した。山崎蒸溜所(所在地:大阪府島本町)の研究開発用の小型蒸留釜で実験した。通常の都市ガスを使った場合と同じ品質の原酒を製造できたとしている。
今後は白州蒸溜所(所在地:山梨県北杜市)で、実際の製造に使う10〜15キロリットル規模の蒸留釜での実施ぃう実験を目指す。

JR東海 太陽光路面発電とEVの廃バッテリーによる給電実証

JR東海は4月3日、MIRAI-LABO(本社:東京都八王子市)と共同で、太陽光路面発電装置とEVの廃バッテリーを組み合わせた自立給電システムの実証試験を、小牧研究施設で開始したと発表した。2050年のカーボンニュートラルの実現に向けた、同社の再生エネルギー活用の施策の一環。同システムは鉄道関連施設での利用のほか、災害時等の非常用電源への適用を目指す。

東京都「晴海フラッグ」に水素ステーション開設 全国初

東京都は3月27日、中央区の東京オリンピック・パラリンピックの選手村跡地につくられたマンション群「晴海フラッグ」にエリアに水素ステーションを開設した。脱炭素化に向けて水素エネルギーを活用したまちづくりを進める一環。3月29日から運用を開始する。
同ステーションでは水素を燃料として走る都営バスやBRTのほか、地下に整備されたパイプを通してエリア一帯に供給する機能が備えられている。この水素はエリア内に設置された燃料電池の発電に使われ、マンションの共用部の照明などの電気として利用される。パイプを通した本格的な水素の供給は全国でも初めて。

三井化学 廃プラン分解油によるケミカルリサイクル製品

三井化学(本社:東京都中央区)は3月22日、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、CFP(本社:広島県福山市)より調達した廃プラスチックを原料とした熱分解油を、2024年3月に同社大阪工場(所在地:大阪府高石市)のクラッカーへ投入し、マスバランス方式によるケミカルリサイクル由来の誘導品(化学品・プラスチック)の製造・販売を開始したと発表した。
同社グループは、認証制度として欧州で広く採用されているISCC PLUS認証に基づき、マスバランス方式によるケミカルリサイクル製品を市場展開していく予定。

東大, 京大 廃熱発電システム LIB搭載の制御システム構築

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」(助成事業)の一環として、東京大学、京都大学などは3月19日、廃熱を使った有機ランキンサイクル(ORC)発電システムに、最大10KWh超のリチウムイオン電池(LIB)を搭載した制御システムの構築に成功したと発表した。
今回開発した「独立型ORC発電システム(5KW級)」は、世界最高の発電効率と省エネルギー化を実現するとともに、LIBに蓄電された電気を起動電力として、脱炭素社会に貢献していく。併せて災害時などの電力喪失時においても独立して発電・蓄電し、導入先のBCP対策や復元力(レジリエンス)性の高さで社会貢献できることが期待される。
同プロジェクトには馬渕工業所、宮城県産業技術総合センター、イーグル工業が参加した。

東京都 リコーと曲がる太陽電池の実証 都庁展望台で開始

東京都は3月19日、都庁の展望台で軽くて曲がるペロブスカイト型太陽電池の実証実験を開始すると発表した。リコー製のペロブスカイト型を搭載した、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」センサーを都庁展望台内5カ所に設置。2025年4月ごろまでの約1年間で太陽電池の発電性能や耐久性、センサーの有効性なども検証する。

テルモ, 京大iPS財団 再生医療普及へiPS細胞の培養自動化

テルモ(本社:東京都渋谷区)と京都大学iPS細胞研究財団(本部:京都市左京区)は3月19日、iPS細胞の培養を自動化する共同研究に乗り出すと発表した。財団が持つiPS細胞の知見とテルモが持つ細胞の増殖システム「カンタムフレックス」を組み合わせ、培養の効率化の向上を目指す。自動化することで省人化や、コスト低減による再生医療の普及につなげる。

花王 回収したCO2活用の植物工場「SMART GARDEN」

花王マテリアルサイエンス研究所は3月14日、佐賀市の清掃工場から排出されるCO2を回収・精製できる設備を利用し、独自の植物工場「SMART GARDEN(スマートガーデン)」を構築したと発表した。スマートガーデンでは使用電力や水使用量で環境負荷を低減しつつ、植物を効率よく栽培することが可能。
具体的には①スマートガーデンではCO2を光合成を促進させるほか、植物に与えることで生長速度が約20%向上することを確認②水を繰り返し循環利用することで、露地での栽培品と比較して水使用量は約40%にとどまっている③使用する電力すべて地熱、水力発電といった再生可能エネルギーにすることでCO2の排出を削減している。
さらに栽培した植物からエキスの抽出まで一気通貫で行い、高純度・高効率な植物エキスを得ることができる成分制御技術を開発した。