東大 窒素ガスと水からのアンモニア合成で触媒寿命15倍, 速さ7倍に

東京大学の西林仁昭教授らのグループはこのほど、2019年4月に発表した、金属のモリブデンを使って常温常圧で窒素ガスと水などからアンモニアを合成する製法で、触媒の寿命を従来の15倍に伸ばしつつ、アンモニア合成する速さを約7倍に向上することに成功した。
燃やしても二酸化炭素(CO2)を排出しないアンモニアは脱炭素社会の燃料として期待されている。しかし、現状ではアンモニアの製造過程で課題がある。現在、アンモニアの大量生産では、約100年前に確立した製法、ハーバー・ボッシュ法が広く採用されている。これは鉄を主体とする触媒を使い、高温・高圧状態で空気中の窒素と水素を反応させるもの。ただ、原料となる水素はコストが安い天然ガスに含まれるメタンから取り出すケースが多く、製造プロセスで大量のCO2が発生する課題がある。