「つなぐ」カテゴリーアーカイブ

日本製鉄 トランプ米大統領がUSスチールの買収計画承認

日本製鉄は6月14日、トランプ米大統領がUSスチールの買収計画を承認したと発表した。米国政府に対して経営上の重要事項に拒否権を持つ”黄金株”を発行することや、2028年までに約110億ドル(約1.6兆円)をUSスチールに投資するほか、国内生産への関与を持つことを盛り込んだ国家安全保障協定を締結したとしている。
日鉄は「必要なすべての規制当局からの承認を取得した。パートナーシップは速やかに成立する」との声明を出し、「合併契約が完了する際には、USスチール株を100%保有するのが前提になっている」としている。
政府もこの発表を好感。武藤経済産業相が「日米間の緊密なパートナーシップの強化につながる」と歓迎するコメントを出している。

ヤンマーHD 環境再生・営農型 30年度全国1,000haでの展開

ヤンマーホールディングス(本社:大阪市北区)は6月11日、持続可能な未来の農業を見据え、環境再生農業と営農型対抗発電(ソーラーシェアリング)などを組み合わせたソリューションを展開すると発表した。まず滋賀県栗東市と岡山市の農場で開始し、順次、地域の課題に寄り添って全国の自治体・農業関係者へ提案していく。2030年度には全国で1,000haでの展開を目指し、将来的にはグローバル展開も視野に取り組んでいく。
これは同社が目指す、持続可能な農業の実現に向けて、将来の農地を守る包括的なプロジェクト「SAVE THE FARMS by YANMAR」の一環。

サントリーHD 国内初「グリーン水素」製造・販売に参入

サントリーホールディングス(本社:大阪市北区)は6月11日、再生可能エネルギーで地下水を電気分解して得る「グリーン水素」の製造・販売に参入すると発表した。国内で初めて製造から販売までを一貫して手掛ける。
二酸化炭素(CO2)排出ゼロのグリーン水素は地産地消が可能で、企業の脱炭素化やエネルギー供給の新たな選択肢として期待されている。

ミズノ, カネカ 人工芝に水中分解素材 海洋へのプラごみ削減

ミズノ(本社:大阪市住之江区)とカネカ(本社:東京都港区)は6月10日、屋内スポーツ用人工芝と充填材を共同開発したと発表した。水中でも分解されるカネカの生分解性バイオポリマー「Green Planet(R)」を使用、長期使用での摩耗などによって施設外に流出して、最終的に海に蓄積されるプラスチックごみの量を、従来製品の9割以上を削減したとしている。人工芝に生分解性素材を使用する事例は世界初という。

スパコン「富岳」7位に後退 計算能力 米国1~3位占め優勢

専門家の国際会議が半年ごとに集計するランキングの最新版によると、スーパーコンピューターの世界ランキングで、理化学研究所と富士通が開発した「富岳」が前回の6位から7位に後退した。1位は前回と同様、米国の「エル・キャピタン」で、1〜3位を米国勢が占めた。
エル・キャピタンは、1秒間に174.2京回(京は1兆の1万倍)の計算性能を示した。

日野自と三菱ふそう 経営統合に最終合意 26年4月に新会社

トラック大手の日野自動車と三菱ふそうトラック・バスは6月10日、経営統合に最終合意したと発表した。両社の親会社であるトヨタ自動車とドイツのダイムラートラックが2026年4月までに新たな持ち株会社を設立し、統合する2社を傘下に置く。
新設する持ち株会社は東京証券取引所プライム市場への上場を目指す。社名や本社所在地は今後決める。CEO(最高経営責任者)には三菱ふそうトラック・バスのカール・デッペン社長が就く。出資比率はトヨタ、ダイムラーともに25%とする。
この結果、国内の商用車メーカーは日野・三菱ふそうのほか、いすゞとその子会社のUDトラックスの2つの陣営に再編される。

量研機構が脳画像解析 中高年うつ病に認知症たんぱく質関与

量子科学技術研究開発機構(QST)などは、40歳以上でうつ病などの気分障害を発症した患者の脳に、認知症の原因の一つになるたんぱく質が蓄積していることがあると明らかにした。同機構が開発した薬剤を使って撮影した脳画像を解析した。
認知症には「タウ」や「アミロイドβ(ベータ)」などたんぱく質が脳にたまることで発症するものがある。近年、認知症の前段階として、中高年でうつ病や双極性障害などの気分障害を発症する可能性が指摘されている。ただ、気分障害の発症とたんぱく質蓄積の関係について調べるのは難しかった。

全国百貨店 免税売上高2カ月連続減 インバウンド消費失速

日本百貨店協会(本部:東京都中央区)のまとめによると、4月の全国百貨店売上高は、既存店ベースで前年同月比4.5%減の4,232億円だった。インバウンド(訪日外国人)の高額品消費が一巡し、免税売上高が26.7%減の439億円にとどまったことが響いた。免税売上高は2022年2〜3月以来、およそ3年ぶりに2カ月連続のマイナスとなった。

大阪大 がんへの免疫妨害細胞を狙い撃ち 新治療法を開発

大阪大学などの研究チームは6月10日、がんへの免疫を妨害する細胞だけに働きかけ、免疫機能を回復させる新しい治療法を開発したと発表した。同チームは、がん細胞の周辺に存在し免疫細胞の働きを阻害する物質を生み出す「がん関連線維芽細胞(CAF)」に限定して、酵素の働きを抑える方法を考えた。
チームはたんぱく質の設計図である「メッセンジャーRNA」に結合し、酵素をつくる遺伝子の働きを抑える化合物を活用。CAFだけが持つ特殊なたんぱく質を目印とし、CAFにピンポイントでくっつくようにしたところ、正常な細胞に影響を与えずに狙い撃ちすることに成功した。マウスの実験ではがん細胞が小さくなることを確認した。研究チームは、転移性の大腸がんや膵臓(すいぞう)がんなど、治療が難しいがんへの治療法として期待できるとしている。