「アジア-産業」カテゴリーアーカイブ

ホンダ 日鉄物産とタイで地産地消の水素利活用の調査事業

ホンダ(本社:東京都港区)は12月20日、保有する燃料電池技術で、タイでロジャな工業団地を運営する日鉄物産と協働し、タイにおける地産地消の水素利活用モデル確立に向けた調査事業に取り組むと発表した。同工業団地内の太陽光発電で製造したグリーン水素を定置用燃料電池(FC)電源や、燃料電池(FC)トラックへの活用を通じて入居企業へ普及させることを目指し、その事業制を調査する。
同調査事業は経済産業省が主導する「令和5年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」に採択された。
ロジャナ工業団地は2024年6月時点で入居企業は400社を超え、うち約150社の多様な業種の日系企業が入居している。

公取委 グーグルに排除命令 スマホアプリ優遇 独禁法違反

公正取引委員会が、米グーグルが自社の検索アプリをスマートフォンに優先的に入れるようスマホメーカーに圧力をかけたなどとして、独占禁止法違反でグーグルに対し、違反行為と取りやめなどを求める排除措置命令を出す方針を固めたことが分かった。公取委はすでに処分案をグーグル側に通知しており、今後グーグル側の意見を聞いた後に正式な処分を決める。公取委が巨大IT大手「GAFA」(グーグル、アップル、フェイスブック=現メタ、アマゾン)に同命令を出すのは初めて。

トヨタ 中国・上海に「レクサス」EV新工場 単独出資で

トヨタ自動車は、中国・上海に高級車ブランド「レクサス」の電気自動車(EV)を製造する新工場を建設する方向で、中国当局と最終調整に入った。現地企業との合弁ではなく単独出資工場で、早ければ2027年ごろの稼働を目指す。認可されれば外資として、米国EV大手テスラに次ぐ2社目の単独出資工場となる。
トヨタは現在、中国で現地大手の中国第一汽車、広州汽車と合弁の車両工場を運営している。

シャープ SBに大型液晶工場の敷地の6割, 45万㎡を売却

シャープ(本社:大阪府堺市)は、8月に生産を停止した大阪府堺市のテレビ向け大型液晶パネル工場について、ソフトバンク(SB)に敷地のおよそ6割にあたる45万㎡を売却することを決めた。土地、建物の売却額はおよそ1,000億円という。SBはAI(人工知能)向けの大規模データセンターの建設を検討しており、今年度中にも正式契約を結びたい意向。

ヒルトン最上級ホテル 25年4/3うめきた新街区に 日本初進出

ホテルチェーン大手の米ヒルトンは2025年4月3日に、日本初進出となる最上級ブランドのホテル「ウォルドーフ・アストリア大阪」を大阪・梅田に開業する。大阪うめきたの新街区「グラングリーン大阪」に竣工する高層複合ビルの上層階に入居する。部屋数は252室。訪日富裕層の宿泊需要に応える。公式サイト・アプリでこのほど、宿泊予約の受け付けを開始した。
ウォルドーフ・アストリアは米ニューヨーク、英ロンドンなど世界の大都市で34店舗を展開しており、今回の大阪のほか、日本では2026年に東京・日本橋での出店が予定されている。

京都駅 29年度「特急はるか」山科発着 訪日客集中解消へ

JR西日本(本社:大阪市北区)は、2029年度以降、インバウンド(訪日外国人客)が集中している京都駅の混雑緩和の抜本的対策として、京都駅から東に約5.5km離れた東海道線「山科駅」に関空特急「はるか」の全列車を停止させるほか、京都駅の自由通路を増設することを決めた。また、1駅東隣の山科駅を「京の東の玄関口」と位置付け、人気観光スポットの東山方面や祇園など観光地への迂回ルートとする。
京都駅のJR在来線の乗降客数は、2023年度時点で1日約33万人で、コロナ禍前の8割まで回復。現在「はるか」1日上下60本のうち、滋賀県野洲方面に直通する5本を除いて55本が京都駅を始発、終着としている。このため、訪日外国人客の多くが京都駅で乗降し、ごった返し、身動きが取りにくい時もあるほか、接続する京都市営地下鉄や市バスの混雑にも拍車がかかっている。

ホンダ主導で26年統合へ 日産と基本合意 共同持ち株会社

ホンダと日産自動車は12月23日、2026年8月の経営統合を目指し、基本合意契約を結んだと発表した。この骨子は①新たに設立する共同持ち株会社を上場して、両社はそれぞれ2026年8月に上場廃止とし、新会社の完全子会社として傘下入りする②新会社の社長と取締役の過半数をホンダが指名する③両社のブランドは維持するーーなど。
両社は車台の共通化、研究開発の統合、生産体制・拠点の最適化、購買機能の統合ーーなどで1兆円の統合効果を見込む。両社で売上高30兆円、営業利益3兆円を超える業績目標を掲げた。
日産自動車が筆頭株主となっている三菱自動車も統合協議に参画し、2025年1月末をめどに合流するかを判断する。

23年アニメ産業3兆3,465億円と過去最高 初の3兆円超え

アニメーションの制作会社などでつくる日本動画協会がまとめたアニメ産業レポートによると、2023年のアニメ産業の市場規模は全体で3兆3,465億円で、過去最高だった前年を14%余り上回り、初めて3兆円を超えた。
内訳をみると、最も多かったのが海外との番組契約やグッズ販売など海外展開で、前年比18%増の1兆7,222億円となり、全体の半分以上を占めた。配信は継続的に伸びていて、前年の1.5倍の2,501億円となった。このほか、商品化が7,008億円、ライブが1,081億円、テレビが973億円、映画が681億円等となっている。

北陸新幹線 敦賀ー新大阪の延伸着工25年度断念 与党整備委

政府与党の整備委員会は12月20日、北陸新幹線の敦賀ー新大阪の延伸を巡り、年内の詳細ルートの決定を見送り、2025年度内としてきた着工を事実上、断念した。地下水への影響の懸念、残土の処分方法、財政負担のあり方など地元自治体の理解を得るのが先決と判断した。詳細ルート決定の先送り、そして着工の遅れは全線開業の先送りにつながる可能性がある。

住友化学 中国のPPコンパウンド事業2社の株式を譲渡

住友化学(本社:東京都中央区)は12月18日、中国のポリプロピレンコンパウンド事業の合弁会社2社の株式の全持ち分を、現地のコンパウンド事業会社、仕天材料科技有限公司(所在地:広東省広州市)に譲渡したと発表した。
同社の合弁事業会社は、珠海住化複合塑料有限公司(所在地:広東省珠海市、住友化学の出資比率55%)、大連住化塑料有限公司(所在地:遼寧省大連市、同出資比率50%)の2社。
ポリプロピレンコンパウンドとは、ポリプロピレン(PP)に合成ゴム、ガラス繊維、無機フィラーなどを混練し、機能性や剛性などを向上させた高性能な材料で、主に自動車のバンパーや内装材、家電製品などに使用されている。