「アジア-社会」カテゴリーアーカイブ

経産省 FCトラック30年に1.7万台へ 普及促進へ規制緩和も検討

経済産業省は7月11日、水素燃料電池(FC)車両の普及に向けた中間案を公表した。FCトラックの利用を促すため2030年までに、少なくとも小型で1万2,000台、大型で5,000台の合わせて1万7,000台程度の車両の供給が必要だと示した。
FC車両は現時点では数十台にとどまっているが量産して価格の引き下げを図る。また、普及促進へ水素充填施設用の蓄圧器一本あたりの水素保有量を増やすなど規制緩和も検討する。6月に改定した政府の水素基本戦略では、15年間で官民合わせ15兆円を投じる計画を打ち出している。

東大 南海トラフ 3つのタービダイトの分布を発見 四国, 紀伊で

東京大学の研究グループは、南海トラフに沿って沈み込む深海堆積物を調査した結果、砂層に富むタービダイトがスロー地震活動の静穏域(プレート間固着の強い領域と概ね一致)に集中して分布することを発見した。これは海洋研究開発機構が過去に南海トラフで取得した反射法探査データを深海掘削データをと組み合わせ、海溝で沈み込む深海堆積物を分析した結果、分かったもの。
西側タービダイトは主に四国の足摺岬沖に、中央側タービダイトは紀伊半島の潮岬沖に、東側タービダイトは紀伊半島の熊野沖にそれぞれ分布。一方、四国の室戸岬沖ではタービダイトが分布せず、泥質堆積物のみが沈み込んでいた。南海トラフ沿いの深海堆積物をを分析し、沈み込むタービダイトの全貌を明らかにしたのは、今回が初めて。

宇都宮LRTが運賃申請, 初乗り150円 次世代型路面電車 8/26開業

8月26日に開業を予定している栃木県の次世代型路面電車(LRT)、芳賀・宇都宮LRT(宇都宮LRT)の運行会社、宇都宮ライトレールが関東運輸局に運賃の上限額を認可申請した。認可されると初乗り150円から、乗車距離に応じて50円刻みで加算され最大400円となる。6歳以上12歳未満の子供は半額で、10円未満は切り上げる。
運賃は、同一区間をほぼ並走するバスに比べて安い。所要時間はダイヤ上ではLRTとほぼ同じだが、道路の渋滞状況次第で、軌道を走るLRTは定時走行が見込まれ軍配が上がる。優位性を確保できれば通勤通学者がLRTにシフトする可能性もある。

福岡市 脱炭素へ燃料電池トラックで学校給食配送 全国初

福岡市は7月5日、脱炭素への取り組みの一環として、水素燃料電池(FC)を搭載した学校給食配送トラックを導入すると発表した。このFCトラックは10分間の水素充填で、約260km走行できるという。FCトラックの積載量は2.5トン。まず市内の中学校などの給食配送向けに1台投入。2023年度中に3台体制に増やす。給食配送にFCトラックを用いるのは全国初とみられる。6日から配送業務を開始する予定。
FCトラックはトヨタ自動車やいすゞ自動車などが参画する「コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ」(CJPT)が開発した。

5月有効求人倍率1.31倍 2カ月ぶり低下 失業率2.6% 前月同水準

厚生労働省が6月30日発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は、全国平均で1.31倍となり前の月を0.01ポイント下回った。前年同月を下回るのは2カ月ぶり。原材料価格の高騰を背景に、一部の業種で求人を抑える動きが出ているためという。新規求人を産業別にみると、前年同月に比べて宿泊業・飲食サービス業が13.5%増、教育・学習支援業が12%増となった一方で、製造業は5.4%、建設業が0.8%それぞれ減少している。
一方、総務省が同日発表した5月の完全失業率は2.6%で、前月と同じだった。完全失業者数は188万人と前年同月比で1.6%減少した

5月求人広告25.1%増 経済活動再開でサービスなど採用意欲旺盛

人材サービス会社でつくる全国求人情報協会(所在地:東京都千代田区)が6月23日発表した5月の求人広告件数(週平均、職種別)は前年同期比25.1%増の149万8,124件だった。この結果、25カ月連続で前年を上回った。経済活動の再開で、引き続き採用意欲が旺盛な事業者が目立った。職種別にみると、「サービス(接客)」(30.4%増)、「販売」(25.1%増)の増加が顕著だった。

5月三大都市圏のバイト時給2.4%上昇 飲食と深夜帯に求人旺盛

リクルートがタウンワークなどの掲載情報をまとめた、5月の三大都市圏(首都圏、東海、関西)のアルバイト・パート募集時平均時給は、前年同月比27円(2.4%)高の1,150円だった。新型コロナウイルス感染症法上の「5類」移行により、飲食店の営業時間が広がり、深夜帯の求人が旺盛だった。訪日外国人客の増加を見込んだ求人意欲も反映した。
職種別では飲食店など「フード系」が1,111円と56円(5.3%)上昇し、3カ月連続で過去最高を更新した。「販売・サービス系」でコンビニスタッフが35円(3.5%)高、「アパレル販売」が42円(4.1%)高となった。観光ホテルの「製造・物流・清掃系」は34円(3.0%)上昇し1,154円となった。

手塚治虫「ブラックジャック」の新作をAIで制作, AIと人間の共創

漫画家、手塚治虫(1928〜1989年)の、今年誕生50周年の代表作「ブラックジャック」の新作が、人工知能(AI)で制作されることなった。6月12日、慶應義塾大学の栗原聡教授や、手塚氏の長男で手塚プロダクション取締役の手塚眞さんらが参加する「TEZUKA2023」プロジェクトが発表した。
200話以上ある「ブラックジャック」を構造分析してデータ化。これに最近のテキスト・画像生成AIの急速な進化を取り入れ、より高いレベルで「AIと人間の共創」の可能性を検証する。新作は今秋、「週刊少年チャンピオン」(秋田書房)に掲載される予定。

京大, 佐賀大 iPS細胞から軟骨組織作製に成功 欠損治療に光明

京都大学や佐賀大学の研究チームは、iPS細胞を使って軟骨組織を作成することに成功したと発表した。軟骨の細胞塊を接着させると数日で融合するため、将来大きく欠損した軟骨の治療につながる可能性があるという。
チームは骨や軟骨に分化する能力がある幹細胞の一種「間葉系幹細胞」をiPA細胞から作製。これに特殊な化合物を添加することなどで、段階的に軟骨組織に分化させた。マウスに移植して経過を8週間観察。軟骨としての性質を維持していたとしている。

26年にもマイナンバー新カードへ移行 23年度版重点計画案

政府は6月6日、2026年にも新しい様式のマイナンバーカードを導入する方針を決めた。首相官邸で開かれたデジタル社会推進会議で2023年度版「デジタル社会の実現に向けた重点計画」案を決定した。搭載するICチップの暗号技術をより高度にして本人認証のなりすましやカードの偽造への対策を強める。プライバシーに配慮し住所や性別といった券面の記載情報の絞り込みを検討する。
新カードを検討するタスクフォースを近く立ち上げる。マイナンバー法などの改正が必要な場合は2024年の通常国会に改正法案を提出する。