「アジア-社会」カテゴリーアーカイブ

阪大G 自己免疫疾患 症状悪化の原因たんぱく質特定

大阪大学などの研究グループは、関節リウマチをはじめとした自己免疫疾患について、症状を悪化させる原因となるたんぱく質を特定し、その働きを抑える薬の成分をマウスの実験で発見したと発表した。自己免疫疾患は、免疫の異常によって関節や皮膚などの組織が攻撃され、炎症などが起きる病気。このうち関節リウマチは国内におよそ80万人の患者がいると推計されている。
グループは免疫を活性化させる「COMMD3/8複合体」と呼ばれるたんぱく質を、体内でつくり出せないようにしたマウスでは関節炎の進行が抑えられ、このたんぱく質が自己免疫疾患の悪化に関わっていることが分かったという。さらに炎症を抑える目的に使われている漢方薬の原料「ライトコウ」の主要成分「セラストロール」をマウスに投与したところ、このたんぱく質の働きが抑えられ、実際に症状の悪化を防ぐ効果も確認されたとしている。

2月 有効求人倍率1.34倍 転職増で低下,失業率2.6%に

厚生労働省が3月31日に発表した2月の有効求人倍率は1.34倍(季節調整値)と、前月から0.01ポイント低下した。好待遇を求めて転職者が加わり求職者が前月から1.6%増え185万8,599人となったため、求人倍率を低下に繋がった。求人倍率が前の月を下回るのは2カ月連続。
一方、総務省が同日発表した2月の完全失業率は2.6%と前月比0.2ポイント上昇した。失業率の悪化は5カ月ぶり。

4月から自動配送ロボットが公道で走行可能に

4月1日から改正道路交通法が施行され、事前に届け出をすれば自動配送ロボットの歩道や路側帯など公道での走行が可能になる。物流業界の人手不足や過疎地での”買い物弱者”の解消に向けて、実用化が期待されている。
3月27日、東京・霞が関の経済産業省の敷地内で、自動配送ロボットをPRするイベントが行われた。会場には自動車や電機メーカー、ネット通販の企業などが開発した8台の自動配送ロボットが並べられ、実際に走行させるデモンストレーションが行われた。

慶大 心停止患者に水素加えた酸素投与で救命率向上

慶応大学の研究グループは、心臓が停止した後、救急病院に搬送された患者に水素を加えた酸素を投与して救命措置を行うと、通常の酸素を投与した場合より救命率が高まったとする臨床試験の結果を発表した。今後治療の実用化を目指すとしている。
同グループは各地の15の病院で2021年9月までの4年半余りの間に、心停止で搬送され、意識が回復していない患者73人を対象に、2%の水素を加えた酸素を投与して救命措置行った場合の効果を調べる臨床試験を実施した。その結果、90日後の生存率は通常の酸素投与を受けた患者では61%だったのに対し、水素を含む酸素投与を受けた患者では85%だったという。また、後遺症なく回復した人の割合も、水素を含む酸素投与受けts患者では46%と、通常の酸素投与を受けた患者の21%より大幅に高かったとしている。
総務省消防庁の統計によると、心臓の病気などで心臓が停止し救急の医療機関に搬送される患者は、国内で年間およそ8万人に上る。意識が戻らないまま亡くなったり、助かっても重い後遺症が残るケースが数多くみられる。

2月中途求人倍率2.15倍 転職希望増で2カ月連続低下

パーソルキャリア(所在地:東京都千代田区)によると、2月の中途採用求人倍率は前月比0.19ポイント低い2.15倍だった。前月を下回るのは2カ月連続。新型コロナウイルス対策の緩和とともに、転職を希望する人の動きが増えているため。
求人数は13業種すべてで前月を上回り、全体でも3.5%増えた。一方、転職希望者数も前月比12.6%増と大幅に伸びたため、倍率が押し下げられた。

東北大 iPS細胞による心筋細胞作製の効率的培養法

東北大学の研究グループは3月17日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)が形成した細胞の塊を、硬さの調節が可能なハイドロゲルを挟み込む”サンドウイッチ培養法”を確立したと発表した。この方法を用い、ゲルの硬さを心臓の硬さに近似させると、iPS細胞が中胚葉の細胞に分化しやすくなり、拍動する心筋細胞が効率的に得られた。
今回確立した培養法は、従来のiPS細胞を用いた心筋細胞作製の効率化に役立つ可能性がある。また、硬さ環境に着目したこの培養法は、iPS細胞から様々な組織や器官(培養臓器)を作製するために適した硬さ環境や、その分子機構を明らかにするツールとして活用されることが期待される。
この研究成果は3月5日に、高分子科学専門誌Macromolecular Biosciencelに掲載された。

2月の派遣時給も最高 4カ月連続 訪日客関連で活気

人材サービス大手エン・ジャパンによると、2月の派遣社員の募集時平均時給は、三大都市圏(関東・東海・関西)で前年同月比37円(2.3%)高の1,657円だった。この結果、4カ月連続で過去最高を更新した。
職種別では営業・販売・サービス系が17円(1.0%)高の1,570円だった。新型コロナの水際対策の緩和後、月を追って回復しつつある訪日外国人客対応の業種・職種で値動きが活発だ。

メタ VR端末を世界各地で値下げへ 普及促す

米メタは3月3日、仮想現実(VR)端末を世界各地で値下げすると発表した。これにより、上位機種の「Meta Quest Pro」の日本における価格は、従来より6万7,000円余り引き下げられ15万9,000円(税込み)となる。日本など約20カ国・地域では3月15日に価格改定する。値下げにより普及を促し、開発者が対応ソフトなどをつくりやすい環境を整える。
普及価格帯の「Meta Quest2」も3月5日に各地で値下げし、日本では内蔵メモリーが256ギガバイトの製品を従来より約1万円安い6万4,405円とする。

WIPO 22年の国際特許出願0.3%増 中国4年連続首位

世界知的所有権機関(WIPO)のまとめによると、2022年の特許の国際出願件数は前年比0.3%増の27万8,100件と過去最高を更新した。
国別では首位の中国が0.6%増の7万15件に上り、初めて7万件を突破し、2019年から4年連続で首位となった。2位は米国で0.6%減の5万9,056件、3位は日本で0.1%増の5万345件だった。アジア地域からの出願が全体の55%に達し、韓国、インドなどアジア勢の伸びが目立った。